日本の少子化対策(ブログ3102)
- 2023年01月09日
19年の出生数が約86万5千人でしたが、22年は80万人以下を避けることは出来ないようです。
岸田氏が「異次元の少子化対策」を実施しなければならないと危機感を感じたのは当然と言えば当然のことではないでしょうか。
すでに少子化が叫ばれて20年以上が経過し、この間様々な対策を講じてきましたが効果的な成果は表れておらず、少子化の現場である各自治体の首長も打つ手が無いと諦めムードとなっています。
年間の出生数は敗戦後のベビーブームが右肩上がりとなって1949年がピークの269.7万人(合計特殊出生率4.54人)、1973年が209.2万人(同2.05人)、それが2019年には86.5万人(同1.36人)を切る事になります。
人口を維持して行くには夫婦2人が2.08人の子どもを持つことが必要です(事故やけが、病気で成人前に死亡する事を考慮した「人口置換水準」)。
子ども関連予算は、日本がGDP比1.65%、英国やスウェー-デンの3%の約半分となっており、野田聖子元少子化対策相も3%は必要と訴えていました。今回は、岸田氏がやっとそこに目標を置く事を判断したことになります。
一方、教育費を比較しますと日本はOECD38ヶ国中37位と全くお話になりません。
合計特殊出生率が2.08を維持していた頃の日本社会はどのような状況だったのか振り返ると、社員はほぼ全員が正社員で給与も毎年昇給する、家庭は世帯主の収入でほぼほぼ営む事ができ、活気に満ちていました。
少子化を解決するにはお金をばらまくことではありません。まず雇用形態が派遣やパート、非正規職員では無く、勤める方がほぼ全員正社員で有るべきで、安定した雇用と見合った収入、返済に追われる奨学金制度では無く、高等教育までの無償化、供稼ぎを支援する保育体制などの他、地場に就職先が確保出来ることなど、保育・教育・雇用という制度を抜本的に変革する事では無いかと思います。
果たして岸田氏にその事が理解できるのか、そして「やっている感」ではなく、本当に
少子化を脱する政策を示すことが出来るのか。6月の通常国会終了後の「骨太の方針」を注視したいと思います。