日本の部品が戦争に(ブログ3100)
- 2023年01月07日
ロシアがウクライナへの攻撃に使用しているイラン製無人機に、日本製の部品が使用されている事が米国のCNNテレビの報道で明らかになりました。
ウクライナで昨秋墜落したこの無人機「自爆型無人機シャヘド136」から取り出した52個の部品のうち、40個が米国の13社が製造したものであり、残る12個はカナダ、スイス、日本、台湾、中国の企業の製品でした。
日本はこれまで、「武器輸出3原則」というルールの下、日本が輸出した武器によって戦争や紛争に加担することを避けることを憲法の平和主義によって制約していました。
しかし、政府が武器輸出3原則を廃止し、それに代わって「防衛装備移転3原則」を閣議決定し、国際紛争等に間接的に関与することを避けるとした根本理念を放棄してしまいました。
新原則では(1)輸出を認めない場合(2)輸出を認める場合(3)輸出先での管理体制ーについて規定しているものの、
(1)の場合では、国連安保理の措置対象国以外は、米国やイスラエルなどの「紛争当事者」でも輸出が可能となります。
(2)の場合でも「日本の安全保障に資する場合」は、政府の判断で相手国をいくらでも拡大が可能になり、武器の種類も限定せずに部品や関連技術だけではなく完成品の輸出も可能となります。
(3)の場合では、戦闘機やミサイルなど日米などで共同開発した武器は、共同開発者の「事前同意」無しに他国に売却が可能になっています。
つまり、軍需産業が望むように何の制約も無しで何処にでも輸出が可能になります。
それが、今回のロシア・ウクライナ戦争によって現実になりました。
既に、他国の戦争によって日本の軍需産業が利益を得たことになり、日本が部品を供給した兵器で人の命が失われたことになります。
日本は、その事に痛みを感じない国になってしまいました。