日本人の入場制限
- 2017年06月22日
IR法(通称:カジノ法)が可決され、政府は具体的な「依存症対策」に関わる各種の検討を始めました。
その一つとして、日本人の入場制限に関わるいくつかの課題が提起されているようで、新聞にも掲載されました。
その内容は
・日本人客のカジノ施設への入場回数を制限。マイナンバーカードで本人確認し、入場の可否を判断。
・カジノ運営会社に、本人や家族の申告に基づく入場制限や、相談窓口の設置を義務づける。
・統合型リゾート施設(IR)の区域外ではカジノの関する広告を原則禁止。日本人客からは入場料を徴収する。
というものです。
さて、「入場回数制限にマイナンバーカードを利用する」ということですが、入場歴を政府が集約し、オンラインで運営会社に情報提供をするとのことです。しかし、マイナンバーはプライバシー管理に多くの問題を包含しており、故に交付率も約9%程度です。
カジノの入場にはマイナンバーカードが必要と義務づけ、これを契機にマイナンバーカードの普及を図ろうとしているのならば悪質です。
実施されれば、マイナンバーカードの情報から、個別に何回カジノを利用したのか月単位、週単位で国や運営会社に掌握されます。
さらに勘ぐれば、どの曜日、どの時間に訪れ、何時間くらい滞在するのか、一度にどのくらいのお金を使うのか、どのゲームが好きなのか等の情報が国と運営会社で掌握できる事になりますから、マイナンバーカードによって国だけでは無く“民間企業”が個人情報を得ることにも繋がりかねません。
また、入場の可否も強制するようです。詳しくはIR実施法案が成立後と言う事になりますが、カジノ施設内にはATM(自動現金支払機)も設置しないし、クレジットカードも外国人を除いて利用できないと言う事です。
多額の現金を持参しなければカジノを利用することが出来ない他、日本人客からは入場料を徴収する等、依存症対策と称する日本人客への様々な規制が行われるようです。
それならば、いっその事、日本人の利用を禁止とした方が判りやすいと思います。
既にラズベガスやシンガポールなどでカジノを運営している会社では、VIP会員フロアーやゴールド会員フロアーなど、常連客の取り込みに力を入れていますし、富裕の国・日本人の懐をターゲットにした経営戦略を立てているのは周知の事実です。
国が行おうとしている日本人の利用制限と、運営会社が経営戦略としている多くの日本人の利用、「同床異夢」の中で「IR実施法案」の検討が行われている気がします。