日本沈没と日本外交
- 2021年12月07日
日曜日9時からの日曜劇場「日本沈没」が佳境に入ってきました。
この作品は、小松左京氏の小説が原作で、1973年に発表されましたが、反響が大きくすぐに「映画化」がなされました。
47年前になりますが、センセーショナルな画題から私も映画を見たように記憶しています。
さて、テレビドラマでは設定が現代(映画は近未来の設定)となっており、最近では地震の多発や活火山の爆発などが頻繁に起こっていることから、リアル感は原作発表当時とは違って現実味を帯びています。
ドラマは、各省庁から出向している「日本未来推進会議」のメンバーで環境省の天海、経産省の常磐が中心となり、自ら決断できない東山総理や権謀術数に長ける里城副総理とともに、日本人の海外移住に対する各国との交渉という段階に入っています。
その条件として、中国や米国などの大国から突きつけられているのが日本企業の譲渡であり、1国の消滅がかかっているにも関わらず、日本の持っている経済や技術を奪い取ろうとするエゴイズムが映し出されています。
この物語はフィクションですが、現実に起こっている地殻変動や地球温暖化からも、危機対策として検討しておかなければならないことでもあります。
さて、このような状況が起こった場合、今の日本は世界が受け入れてくれる国になっているのでしょうか。世界に信頼されている日本なのか、まさしくクエスチョンです。
近隣諸国を見ても、ロシアとは平和友好条約も結べず、中国は経済でのつながりは深いものの仮想敵国との位置づけをしており、韓国とは歴史的認識で修復しがたい関係となっており、そして国交の無い北朝鮮、台湾と、これが日本の隣国であり、これが今までの日本外交でした。
同盟国の米国も、このドラマでは頼りになる国とは言いがたいように描かれています。
日本は小国であり、人口も、経済も、技術も、頭脳も世界的には衰退し始めています。 そんな日本は、まさしく外交を最重要に位置づけして各国とのつながりを維持・深化していくことに尽力すべきではないでしょうか。
今の外交では、各国から好意的に受け止めてもらえないだけではなく敵ばかりを作っているように思えます。
「日本沈没」のドラマは、これからの日本外交を示唆しているように思えてなりません。