日本語翻訳が無い
- 2015年12月12日
TPPの大筋合意からしばらく経ち、ニュースにもあまり話題に乗らなくなりましたが、TPPは安保法案に次ぐ大きな問題ですから、来年から始まる国会において、TPPの合意内容をどのように審議するのか、国民の多くが注視しています。
しかし、ここに大きな問題が新たに加わりました。
大きな問題とは、今回のTPPの合意文書が日本語に翻訳されていないということです。
すったもんだでやっと大筋合意になり、国会では衆参たった二日間の予算委員会でお茶を濁した政府ですが、来年の通常国会は1月4日から始まり、これまで、棚上げにしてきた多くの課題が審議されることになり、その中でも大きなウェイトを占めるTPPの審議、その審議に必要な合意文書の成文ですが、審議しようにも、約2,000ページにもおよぶ合意文書が、英語のままで日本語に翻訳されていないことが分かりました。
日本語に翻訳されているのは概要版の97ページだけで有り、細かい内容が含まれる本文は英文そのままとなっています。
誰が、この本文を正確に読むのでしょうか。
2,000ページの英文の文書であっても、専門家を動員すれば日本文に翻訳することは難しいことではありません。
ここに到っても、政府は内容を突っ込まれないようにベールを被らせたままでやり過ごそうとするのでしょうか。
それとも、英語の分からない国会議員や国民は、TPPの内容が分からないままでも良いと考えているのでしょうか。
TPPの成文は、英語、フランス語、スペイン語だけとなっています。
交渉国全体が占めるGDPの割合が米国に次いで2番目の国である日本、その成文に日本語が無いことを容認した日本政府の思惑に屈すること無く、野党は結束して成文を日本語に翻訳し、国会できっちりと審議を尽くして欲しいものと思います。