最終ごみ報告書(ブログ3754)
- 2024年11月24日
高レベル放射性廃棄物最終処分場の文献調査報告書が寿都町・神恵内村・北海道に提出されました。
今後は、両町村の役場と道庁、14(総合)振興局等での縦覧が行われると供に、全道20ヶ所で住民説明会が開催されます。
因みに函館市は来年の1月25日に開催されますが、時間と場所は今後発表されます。
併せて11月22日からはパブリックコメントが実施され、それぞれから出された意見や道議会議論も鈴木知事の判断材料になるようです。
報告書の作成については、経産省地層処分技術作業部会の委員からも多くの疑問が出されましたが、NUMOはこれらの疑問には答えず、概要調査を行う事で明らかになるという姿勢を崩していません。つまり、何があっても概要調査に移行するというのがNUMOの絶対的使命となっています。
文献調査とは、これまでの文献を詳細に検証し、リスクが想定されればその場所を候補地域から除外するために行うということでは無かったのでしょうか。
しかし、NUMOはそんな事をしたら道内2町村だけでは無く国内に適地など存在しないとなってしまう事を避けるために、強引ともいえる手法で疑問点の先送りをしてしまいました。
一方、今回の文献調査に関わった地質学の専門家からは、寿都町内に半径15km圏が不適地となる第4紀火山があるという新知見や、神恵内村の柵内川中流の岩脈が単体の火山体で会ったことを明らかにしましたが、これらについても学術論文が出ていないとかボーリングをしていないなどというどという「屁理屈」をこね回していますし、また、これまでも寿都町を通る「黒松内低地断層帯」等が指摘されていましたが、これもガン無視しています。
文献調査の結果、指摘された内容が安全にどのような影響を及ぼすのかが明らかにならないということであれば、概要調査へ進むかどうかの判断も出来ない事になるのではないかと思います。
知事は、概要調査へ進むことを反対していますし、道議会としても自らが関わった「高レベル放射性廃棄物は持ち込まない」とした条例に責任を持つときが来たのだと思います。
自民党の議員の中には、「科学は進歩しているので幌延の深地層研究センターで行っている研究で、人工バリアーは安全だということになるのでは」と主張している方もいますが、人工バリアーを構成する材料などに画期的な変化は無く、幌延では地層の環境を変えて状況を見る研究が中心となっています。
10万年という気が遠くなる期間、処分場を覆うコンクリートは約50年が耐用年数であり、ガラス固化体を包み込む金属なども耐用年数があります。
このような状況で、NUMOは道民が安全だと納得出来る手札を持っているのでしょうか。概要調査への移行は単なる時間稼ぎであり、NUMOは概要調査でも結論を出さず、精密調査まで繋げていくことだけが目的だと思います。