最終処分場には不適(ブログ3539)
- 2024年04月10日
今日の「産炭地域振興・エネルギー対策特別委員会」で、最終処分場について質問をさせていただきました。
7問質問を行いましたが、とりわけ文献調査報告書における「地層処分技術作業部会」の評価についてと地層処分における「天然バリアー」の重要性について道の見解を質しました。
先に、放射性廃棄物の地層処分について、道に<政府は、高レベル放射性廃棄物の最終処分については、「天然バリアー」と「人工バリアー」を組み合わせた多重バリアーにより安全性を確保するという基本姿勢に立っているが、一方、84年の『原子力委員会放射性廃棄物対策専門部会』の中間報告では、地層処分をするにあたって、天然バリアーとなる地質については、未結岩(砂や砂利の様に固まっていない岩石)以外はその種類を特定すること無く、むしろその地質条件に対応して必要な人工バリアーを設計すれば安全性は確保できると報告。その報告に基づいて「科学的特性マップ」が策定された。
つまり、政府は、「天然バリアー」の重要性を追求すれば、国内に適地は見つからないことから、天然バリアーの条件を大幅に緩和して、国内の何処の地質であっても人工バリアーさえ確かなものであれば、十分である。との結論に至り、ほぼ全国の沿岸地域は適正と判断できるマップを制作した。
道も、政府と同様に最終処分場の天然バリアーについて主要な課題では無いという認識なのか?>と問いました。
これに対し、道は<道としては、最終処分は、人工バリアーだけではなく天然バリアーを組み合わせた「多重バリアーシステム」により、長期にわたり放射性物質を人間の生活環境から隔離し、閉じ込めることとしていると認識している。>と答えました。
つまり、最終処分地選定には天然バリアーの安全性は重要と認識している事になります。
さて、このたびの文献調査報告書を審査する「地層処分技術作業部会」では、今回のNUMOの報告書に多くの疑義がある事を指摘しました。その指摘は、当該の寿都町や神恵内村は、地質的に問題が多く、そのことが報告に記されていないということです。これから報告書に関わって詳しく精査がされますが、時間が長くかかること、概要調査の必要性まで至れるかも不明瞭との意見もありました。
さらに、法に基づき設置された政府の特別な機関であり、行政施策に直結すべき地震に関する調査研究を一元的に推進している「地震調査研究推進本部」では、「黒松内低地断層帯は、寿都町から渡島管内の長万部町かで12の断層が確認され、30年以内にマグニチュード(M)7.3以上の地震の発生率は「S」ランクであり、同断層帯を構成する寿都町の樽岸断層については推進本部として活断層として取り扱う。」と結論づけていますから、当該地は政府の基準に合致しない「不適地」となります。
能登半島地震がM7.6、台湾地震がM7.4ですから、M7.3は大地震と行っても過言ではありません。
道は「天然バリアー」は「人工バリアー」と共に「多重バリアー」を形成していると言う認識に立っていますし、政府の地震調査研究推進本部は当該地は不適地とし、NUMOの報告書を審査する作業部会も、当該地は概要調査にも至れないのではとの認識を抱いています。
つまり、寿都町・神恵内村は、専門家によって最終処分場には適さないと言うことを突きつけられたも同じと言うことでは無いでしょうか。