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最近のエンゲル係数(ブログ3386)

  • 2023年11月06日

 物価は高騰しっぱなし、政府の減税は来年6月で、元凶の円安は一向に改善されずじまいです。

 安倍氏、菅氏、岸田氏と前日銀総裁の黒田氏が延々と続けてきたアベノミクスという名の金融緩和。欧米ではデフレの出口政策を徐々に進めてきましたが、日本はイケイケどんどんで、国債を乱発し、ゼロ金利政策を続けてきた結果、円安が止まる気配はありません。

 円安が止まらなければ輸入大国である日本の物価は青天井となっていきます。

ここに来て、日銀の金融政策決定会合はこれまでの金融政策を修正し、長期金利が1%を一定程度超えることを容認することを決めました。

 植田総裁は、「物価上昇が家計や中小企業の大きな負担になっていることはよく認識している」と話しながらも、消費に関わる指標を挙げて「消費はそんなに悪くないと判断している」との見方を示しました。

 さて、本当に消費はそんなに悪くないのでしょうか。

 家計の支出を示すデーターの一つが「エンゲル係数」です。

 ご存じの通り、エンゲル係数とは、消費支出に占める食料品の割合を示す指標ですが、23年の1月~8月までの平均が『27.3%』となり、コロナ禍で消費支出が減少した2020年を除き、39年ぶりの高水準に達し、9月は、前年同月比9.1%の上昇で比較可能な2011年以降で最高の上昇率となりました。

 これは、所得の約3割が食料品に消えていくということです。

 日本は食料輸入大国、そしてそこに円安が影響すれば、食品にかける家計の割合が高くなるのは当然です。

 第一生命経済研究所の熊野英生氏は、エンゲル係数の上昇について「日銀がマイナス金利政策を続け、日米金利差が拡大しているため円安になり、輸入物価が上がっていることが原因」と分析していますが全くその通りです。

 そして、この食料品の値上げで、一番ダメージを受けるのは、低所得世帯なのです。

 輸入の肉の値段は、低所得者も富裕層も同じ、全ての食料品は所得の格差に関係なく同じなのですから、当然、富裕層以外はエンゲル係数が高水準になってしまいます。

 今回の27.3%というのは平均値ですから、低所得層はこの係数がもっともっと高くなり、食料費を確保することが、生きることにつながりますが、食料品を切り詰めなければ、光熱水費や教育費など家計における支出を確保できないのが現実です。

 日銀の植田総裁は、「消費はそんなに悪くない」と言っていますが、何処を見ているのでしょう。こんな感覚で日本の金融政策を行っていることに憤りを感じます。


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