朝鮮半島の非核化と拉致問題
- 2018年03月30日
中朝首脳会談が電撃的に行われ、北朝鮮の核問題が新たな展開に向かっています。
金正恩朝鮮労働党委員長が列車にて北京を訪問し、周 近平中国国家主席と会談することになったことを中国は韓国、米国にも事前に報告、一方、日本は報道で知ったというまさしく「蚊帳の外」、この問題について重要国とはみなされていない事が明らかになりました。
それというのも、安倍晋三がとり続けてきた反中国政策が中国にとって「目の上のたんこぶ」だったからかも知れません。
中国は、この会談の中身を米国、韓国、ロシアに説明するべく大臣級を派遣、日本はその説明を受ける予定にも入っていないことから、駐日大使などの関係者に説明を要請するという無様さを日本国民に露呈してしまいました。
これもトランプの手先となって「最大限の圧力」をと各国に呼びかけ、韓国文在寅大統領の「対話政策」についても、平昌オリンピックの場に出向き「対話のための対話は意味がない」と批判したことによる、配慮や先見の無さが招いたものではないでしょうか。
完全に関係国から外されてしまった日本は、取り急ぎアメリカを頼って日米首脳会談をセットすることにして、間接的ながら中朝首脳会談の内容をトランプ大統領から教えてもらうことになり、その結果、朝鮮半島の非核化に関わる経済支援や財政支援という負担を強いられることが想定されます。米国のトランプもこの問題について「金は日本が拠出する」という発言も行っています。
外向的な問題では蚊帳の外に置かれ、北朝鮮への財政支援だけは中心的に担うという安倍外交の無能さが、国民の税金の投入という弊害をもたらす結果を招くことになります。
そしてこれまで5年間、1mmも前に進まなかった「拉致問題」、昨年12月の被害者の会の総会では横田早紀江さんからも「安倍首相は何もしてくれない」とあきらめにも似た言葉が出されていました。
5年前にスタートした6つの拉致関連の会議体は
会議名 開催 最後の開催日
・拉致問題対策本部会合 3回 14年11月28日
・政府・与野党拉致問題対策機関連絡協議会 9回 17年 4月20日
・拉致問題に関する有識者との懇談会 2回 16年 7月21日
・拉致問題対策本部(コア会合) 1回 14年 2月12日
・関係省庁拉致問題連絡会(支援幹事会) 6回 14年11月 4日
・関係省庁拉致問題連絡会(支援課長級会合) 2回 14年 4月15日
となっており、かろうじて与野党の協議会が直近である昨年4月に開かれたままで、後は開店休業の「名ばかり会議体」となっています。
所掌する厚労省が動いておらず、被害者の会の不満もその通りだと思います。
まさしく、「拉致の安倍」は口先ばかりではないでしょうか。
今回の中朝会談によって、今後の展開が慌ただしくなってきましたが、これに乗じて、安倍晋三は「拉致問題」解決に意欲を燃やしています。
国による国有地不正売却事件(森友学園事件)で劣勢に立っている安倍晋三が、北朝鮮への<財政支援>で「拉致問題」を解決しようとするのであれば、外交ではなく、まさしく金で解決することに等しいものとなります。