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未知の活断層(ブログ3448)

  • 2024年01月07日

 改めて日本は地震大国である事を認識しなければならないと思います。

 佐治晴夫氏の著書「14歳からの宇宙授業」では、地球を1mの球体に例えた場合、大気圏は1mm、海底の平均深さも1mm、その下に地殻、さらに何層もの同じようなマントルがあり、さらに下部にはマグマが蠢いている。」とあります。

 マントルやマグマは常に流動し、地殻や地表に影響を与えています。

 その集中するところがハワイ周辺や日本となっていますから、日本はいつ地震があってもおかしくない場所に位置していることになります。

 今回の能登半島地震の震源の活断層は事前に把握されていない活断層でした。

 日刊ゲンダイデジタルによると<震源の深さは16kmと浅く、政府の地震調査委員会は「北東から南西に延びる150kmの活断層がズレた」との見解を示しましたが、この活断層について、東大名誉教授の平田直委員長は「知られている活断層では無い。」と断じました。浅い地下の150kmの活断層は未知の存在だった。」

 立命館大学環太平洋文明研究センター特任教授・高橋学氏(災害リスクマネージメント)は、「震源の活断層が未知だったと聞いても驚きはありませんでした。政府は活断層の数を2000以上と公表していますが、それらは地表から容易に見つけられる調査で誰が見ても活断層と言えるものです。実際には、無名の断層も含めれば、少なく見積もっても3万以上の活断層が日本列島には存在すると推測しています。」

 また、国土地理院の公表資料でも、現在、2000以上の活断層が見つかっているとしながら、「地下に隠れていて地表に表れていない活断層もたくさんあります。」と明かしている。」>と記載されていました。

 つまり、政府が公表している2000以上というのは、専門家が少なく見積もっている3万以上の活断層の1割にも満たないものだと言うことです。

 現実に沿った数を公表しないことで、国民のリスク意識を目覚めさせないのは、政府の不作為そのもので、見え透いた手法です。

 企業の誘致などの経済活動への不安を招くことや、政府が国策として推し進めてきた「原発」に対する規制委の活断層調査にとっても、「未知の活断層」は認めたくない代物なのでしょう。

 放射性廃棄物の最終処分場文献調査を行っている寿都町や神恵内村の地下にも、そして泊原発に地下にも、能登半島地震のように今は把握されていない活断層がある事が想定出来ます。

 能登半島に設置されている北陸電力・志賀原発は能登半島の東西で一番狭い志賀町に設置され、しかも震源と近接している場所にあります。規制委は、志賀原発2号機の敷地内に10本有る断層はどれも活断層では無いという、北陸電力に主張を認めていましたが、今回の地震では、外部電源を受けるために必要な変圧器から油が漏れ、使用済み核燃料プールの冷却水漏れが起こりました。また、北陸電力は漏れた油の量について過小報告していましたが、当初発表の5倍に当たる約2万ℓ が漏れていたことが明らかになりました。
3万本以上の未知の活断層はいつ牙を剝くか分かりません。今日か明日か、政府は被害を最小限に抑えることを冷静に考え、実行しなければなりません。


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