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本当の住民自治とは

  • 2020年11月14日

 寿都町で、住民投票を求める方々から提出された署名に対し、片岡町長による「今の段階で住民投票は必要ない」という意見が付されて議会に提出された「寿都町住民投票条例制定案」は、賛成4:反対4 と可否同数となり、議長裁決で否決となりました。

 反対派の住民は、年明けにも町長のリコール請求のための署名を始めると言うことになりましたが、文献調査に反対した町民でさえも、「世話になっている町長のリコールには協力できない」という声もあり、まさに町を二分する方向へと動き始めてしまいました。

 小さな町での分断は、結果がどちらになったとしてもシコリを残すことになり、昨日まで仲の良かった隣近所がいがみ合うことになりはしないか今から心配です。

 町長も「肌感覚で賛成が多い」などと大見得を切ったことから、もしも住民投票で反対が多かった場合は、そのメンツが丸つぶれとなり、商工会の会長を務める議長が中心となり、意見をとりまとめ、議会に要望書を提出した経緯から商工会や議会としても議長のメンツが潰れてしまわないかという、古い体質を引きずった配慮・忖度が働いたのかも知れません。

 民主的な政治とは、住民の意思を自治に生かす事が求められ、それが「住民自治」という自治体運営の基礎となっています。

 その住民の代表として、地方自治体では間接民主主義の二元代表制をとり、首長と議員を選出して自治を委任していますが、だからと言って住民は首長と議員に「白紙委任状」を渡したわけではありません。

 国や自治体が、非常に大事な課題を前にして賛否が大きく分かれた場合、その一つの手法として、法は住民投票制度を認めています。

 憲法改正に関しても国民投票がその前提にありますし、沖縄では辺野古基地の是非について(法的拘束力がないものの県民の意思の表明としての)県民投票が行われました。

 そして、今回の問題もまた、まさしく寿都町民が町の未来を決する問題として住民投票条例の制定を求めました。

 自分たちの町のことは自分たちで決める、と言うのが地方自治体の本旨です。
日本は、住民投票という方法を首長も議員も嫌がる傾向がありますが、それは自分たちが住民の代表だという自負があるからなのだろうと思います。しかし、それは少し間違った受け止め方だと思います。私たちは住民の代表者では無く、住民の声の代弁者だと私は思います。

 住民投票は、民主的な手法として欧米ではごく普通に行われていますし、これこそが本来の住民自治である直接民主主義の形態だろうと思います。

 間接民主主義がギリギリの段階で住民の代弁とならないとき、議会は堂々と住民が求める住民投票によって直接民主主義を実践し、結論を導き出すことも大事だろうと思います。


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