札幌でG7環境サミット(ブログ3168)
- 2023年03月16日
札幌市で4月15日・16日に「G7気候・エネルギー・環境相会議」が開催されます。
この会議では、温室効果ガスの排出量ゼロの推進、エネルギーの安全保障、生物多様性、海洋プラスチック汚染などが議題として取り上げられるようですが、議長国の日本は依然として化石エネルギーに依存しています。
ガソリンエンジン車がごく普通に走行し、石炭火力からLNGへの転換は進んでいますが、CO2排出が若干低減される程度で抜本的な解決にはならず、政府は原発再稼働という禁じ手を用いようとしています。
また、石炭火力は、アンモニアとの混焼を行う事でCO2の排出量を抑えようとしていますが、アンモニアを製造する過程でCO2が大量に発生すること、そしてアンモニアの大半を輸入に頼っている事から、輸送にかかわってCO2が排出されることを視野に入れているのか、まったく判りません。
北海道を見てみると、北電は石炭由来の厚真火力発電所を廃止しますが、新に石狩にLNGの火力発電所を建設します。
北電が、膨大な賦存量がある風力発電にシフトしようとしているなど、聞いたことがありませんが、関西電力は、北海道の風力に目を付けて日本海沿岸に海洋風力発電176万kwを計画しています。北海道の優位性を、他の電力会社が利用しようとしているのに、北電はただただ指をくわえているだけです。
道庁は、石炭火力の燃焼技術でCO2の排出を99%押さえる実証炉、Jパワーが事業体パワーの「クール・ジェーン」を北海道に誘致する事も検討していません。
CO2ゼロに対する実績らしきものが無い北海道で、G7環境相サミットを開く意味があるのでしょうか?それとも、これを契機に北海道をエネルギー安全保障の中心地にしようという設計図でも書こうとしているのでしょうか。
何はともあれ、CO2削減は国際的な至上命題です。北海道のエネルギー賦存量を最大限に活かすべく、道庁や北電は真剣に検討すべきでは無いでしょうか。