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札幌五輪再発防止策(ブログ3353)

  • 2023年10月04日

 札幌市が札幌冬期五輪の組織体制について、東京五輪事件の検証の上に立った再発防止策を発表しました。

 しかし、この内容で、道民とりわけ札幌市民が納得するとは思えません。

 

・スポンサー選定は1社では無く複数企業による共同企業体に委ねる。 ⇒ 結局は、既存の広告代理店に頼らざるを得ないことを認めた上で、1社独占では無く2社にするとしていますが、2社で口裏を合わせることも可能であり、広告代理店はそのノウハウを十分に会得しているものと思います。

・外部有識者を含むスポンサー選考委員会を設置。 ⇒ 外部有識者が、どのような基準で適切なスポンサーか否か判断するのでしょう。仮に適切では無いと判断された企業のイメージは台無しとなり、外部有識者がその企業から名誉毀損の訴訟を起こされることが想定されますし、そんな「フルイ」にかけられてまでスポンサーになるという企業はかなり限定されるでしょう。つまり、協賛金は集まらないということにならないでしょうか。

・組織委理事会のメンバー数は東京大会の半数とし、その半数を女性とする。 ⇒ 理事会の、メンバーを半数にするならば、理事会を頻繁に開催し、きっちりとした意思疎通を図るようにしなければなりませんが、それが可能なのでしょうか。また、女性を半数にすることを免罪符と考えているのでしょうか

・弁護士などによる利益相反管理委員会を設置。企業からの出向者らに法令遵守に関する宣誓書を提出させる。 ⇒ 利益相反を防ぐということは、お互いに利益を享受すると言うことになるのでは。出向者に法令遵守を宣誓させること自体、出向者を信じていないことになり、そこに、自己犠牲も含めた業務への精励を求めることができるでしょうか。

・委託契約は原則、競争入札。困難な場合は、第三者が価格の妥当性を検証 ⇒ 既に、建前は競争入札だが、それは困難である事を示唆している内容です。

・札幌市公文書公開制度に準じた情報公開制度を導入。 ⇒ それが出来れば、東京五輪の検証は実施されていたでしょう。しかし、東京五輪は資料提供も含めた情報を公開せず、検証も行われていません。何より、IOC役員の賓客扱い費用も公開できるのでしょうか。

・組織委を監視・監査する第三者機関を特別措置法で設置するよう国に要望。 ⇒ 組織委や理事会は示された事案を判断する機関です。その中で決定された内容などをどのように監視・監査するのか。屋上屋を重ねるようなものになるのでは。

・企業からの出向者については出向元と連携し、懲罰制度を構築。 ⇒ 法令遵守の宣誓はさせられるは、懲罰制度も組織委と企業の双方から押しつけられるでは、実力のある出向者は派遣されないものと考えざるを得ません。

 

 すなわち、せっかく知恵を絞って策定した再発防止の原案ですが、私が考えただけでも、革新的な見直し案では無く、弥縫策でしか無いような気がします。

 札幌市民が、この内容に満足するとはとても思えません。


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