東京、パリ、札幌五輪(ブログ3265)
- 2023年07月01日
冬期五輪の招致を目指す札幌市は、東京五輪の汚職・談合事件を受けて再発防止策を協議していた検討委員会を設置していましたが、今般、その原案を発表しました。
その内容は、
▼大会組織委員会を監視・監査する第三者機関を特別措置法で設置する。
▼外部有識者を含む選考委員会がスポンサー選定の妥当性をチェックする。
▼組織委の一部の理事を公募する。
▼委託契約は原則、競争入札を行う。
▼民間企業からの出向者を、組織委で関係する部署のトップにしない。
▼法令で求められていない情報も積極的に開示する。
等のようです。
この検討結果を見ると、“大会組織委は信用できない、スポンサー選定は恣意的なものが含まれる、一部の理事を公募して相互監視をする、委託契約に随意契約は馴染まない、外部出向者には責任有るポストに就けない、情報の開示も玉石混淆とする”と言うことなのか、少し斜めに見るとそんなようにも受け止められます。
そして、一番肝心なことである「専任代理店方式」は、札幌五輪でも採用される可能性を秘めているということです。あれだけ大問題となった東京五輪汚職・談合事件の総元締めであった「電通」を、札幌五輪でも排除できないということだけは明らかなようです。
さすが「大イベントの電通」の面目躍如といったところでしょうか。
さて、同じ頃フランスのパリでは、パリ五輪の大会組織委員会本部などに家宅捜査が入りました。浮上しているのは来夏開催のパリ五輪を巡る疑惑です。
そして、パリでも捜査された企業の中に、以前、電通グループの傘下であったコンサルタント企業も含まれています。
東京五輪から2年後、電通傘下だったコンサルタント企業が何の反省も無く同じ事をパリの地でも行っていたとすれば、札幌五輪も結局同じなのでしょう。
国内のスポーツ界では、パリ五輪の代表選手の選考があちこちで行われていますが、いつまで経っても拝金主義から脱却できない五輪は、その「素晴らしい祭典」を自ら地に貶めているように思えてなりません。
札幌五輪は道民の思いから離れ、開催が遠のいていくことでしょう。