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東京オリ・パラの判断

  • 2021年01月24日

 東京オリ・パラの開催について各国から様々な観測が流れてきています。

 今の世界的なコロナ禍において、そのほとんどが開催中止を示唆するもので、未だに開催することにこだわっている日本政府に対し、苦言を呈する内容となっています。

 国内においても、今夏の東京オリ・パラに関して中止及び延期と考えている国民が7割を超えています。

 「望まれない五輪なら開く意味が無い。」と口に出す五輪選手もおり、多くの選手達も開催は難しいと考えつつ何とかモチベーションを維持しなければという精神面でのプレッシャーに晒されています。

 マラソンメダリストの有森裕子さんは、「私たちのスポーツというのは、ちゃんとした社会のもとで成り立っている。社会が落ち着かないのに、スポーツのことだけを考えて五輪開催には価値があると言い続けるのは、ちょっと違うのではないか。開くからには何か明るく栄え、育まれるものが生まれなければやる意味は無いと思う」と語っています。

 そして、柔道メダリストで日本オリンピック委員会の山口香理事も、「国民は不自由な自粛生活を強いられている。五輪で世界から人が集まる事への不安はある。東京オリ・パラ開催の判断が長引けば長引くほど国民の気持ちが五輪から離れていく。五輪を嫌われ者にしないでほしい。再延期はコストもかかる。今回はやるか、やらないかの選択だと思う。選手も疑心暗鬼になっており、宙ぶらりんの状況を長引かせないでほしい。」と、早急な判断を求めています。

 世界でも、40%以上の競技種目が未だに予選も行えない状況となっており、7・8月の開催に間に合うのかも定かではありません。

 米国ではワクチン接種が始まりましたが、普及のスピードは当初計画から大きく遅れており、米国オリンピック委員会(USOPC)や各種スポーツ団体は「接種を待っている列に割り込む考えは無い。」と話し、五輪参加のために選手が優先的に接種を受ける考えには否定的で、同じくUSOPCの医療部門の責任者を務めるジョナサン・フィノフ氏は、「開催までに接種を受けられるのは、世界的にみても一部だろう。東京五輪は『ワクチン無しの大会』と考えなければいけない。」と話し、予定通り7月に開催しても出場選手達が接種を完了しているとは思えないとの見解を示しています。

 またバイデン新大統領が、自国の選手達を感染というリスクに晒してまで参加させるでしょうか。そして他の多くの国々はどうでしょう?

 仮に米国が参加を見合わせたとしたら、五輪収入の約7割を占める放映権料を支払うNBC等の米国メディアは撤退するでしょう。放映権料の大部分は大会実施時に支払うことになっていますから、大変なことになってしまいます。

 日本のオフィシャルスポンサーとなっている多くのメディアや大企業も、東京オリ・パラ関連のテレビCMを流さなくなりましたし、多くのボランティアも辞退する流れが止まりません。

 世界中を巻き込む非常に難しい判断が菅氏にかかっていますが、コロナ感染症対策にさえ国民の納得する的確な判断とはほど遠く、説明も出来ない菅氏にこの判断が出来るのでしょうか。


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