東京2020の暑さ対策
- 2018年09月02日
「東京2020」で、暑さ対策にサマータイムの導入をとご老体が進言してから、さまざまな方がその是非について述べています。
新聞では、EU各国で行われてきたサマータイムについて、欧州委員会がアンケート調査を行ったところ、460万件の回答のうち84%がサマータイムについて廃止を求めたことが分かりました。
真夏の「東京2020」、私は前回の東京オリンピック同様に秋に開催すべきと以前のブログに掲載しましたが、過去にも経験したことのない今年の異常気象、年々その異常さは過去の経験値を上回っており、2年後の2020にはどのようになるのかさえ予想がつきません。
今回のアジア大会では、その予行演習とばかり競技ごとに様々な暑さ対策が試みられたようですが、それが功を奏するとは限りません。
身体の深部体温が上昇すれば死に直結することになりますから、屋外で行われる競技への参加は“命がけ”と言うことになります。
先日の新聞には、日本陸連マラソン強化戦略プロジェクトチームの瀬古利彦氏が、「日本選手がしっかり対策して、マラソンタイムの低下率を抑えられれば、世界トップとの差を縮められる。日本選手は蒸し暑い気候に慣れている上、地の利もあり有利になるでしょう」と語っていた記事が掲載されていましたが、この方も以前はマラソン走者でした。
この言葉が、今までの経験から導かされた言葉とすれば、大変残念に思います。
瀬古氏の現役の頃は、氏が言っているように「マラソンは冬のスポーツ」でした。
夏に行われる北海道マラソンでも、気温は30度以下ですし、湿気を含まず爽やかな空気の中で行われます。
瀬古氏は、自ら湿度が高く35度以上にも達する灼熱の太陽の下、東京コース42,195kmを走って見るべきです。
そのこともせずに「日本選手は蒸し暑さにも慣れているし地の利もあるから大丈夫だろう」とは、無責任極まりないと思います。
仮に日本選手が無事にマラソンを完走しても、外国人選手にもしもの事があった場合、どのように対処するのでしょうか。
マラソンだけではなく、屋外で2時間近く行う競技も多くあります。
瀬古氏は、「マラソンは朝7時、競歩は6時のスタートだがもっと早くてもよかった。ボランティアの関係でそれ以上早く出来ないが、熱くてみんなバタバタ倒れていくようなレースは避けなくてはならない。各国の選手が、また日本で走りたいと思ってもらえるように開催国として準備をお願いしたい」とも述べています。
選手は、その競技がスタートするかなり以前に体調を整えるためのウォーミングアップを行います。会場には遅くても2時間前に着いていなければなりません。
人間は、朝起きて活動し、夜睡眠に入ります。未明に活動することでベストなコンディションを維持するのは至難ではないでしょうか。
やっぱり、真夏の「東京2020」は避けるべきだと思います。