背景

ブログ月別アーカイブ

ブログ

>>前のページへ戻る

核の傘

  • 2018年08月14日

 抑止力とは「相手の活動を思いとどませる力」のことで、軍事的には「もし攻撃してきたなら、それ相当のダメージを与えることを事前に相手に知らしめ、攻撃することを思いとどませるための軍事力を誇示すること」ということになります。

 日本が、抑止力として米国の「核の傘」の中に入っているということは、日本が核兵器を保有していなくても、米国との安全保障で「日本が核攻撃を受けた場合、米国が相手国に核攻撃を行うことになる」という抑止力が働いていると政府が受け止めているということです。

 従って、被爆国である日本は核兵器を是認していると言うことになります。

 だから、国連の「核兵器禁止条約」には参加せず反対の立場をとり続けています。

 しかし「核の傘」というのは、ほとんど神話に近いことを多くの国民は知っています。

 米国は「同盟国が核攻撃を受けた場合、自国が攻撃を受けたと同様とみなして報復する」としていますが、仮に、日本が核攻撃を受けた場合、米国が報復措置をとり相手国に核攻撃を仕掛けるでしょうか、そんなことをすれば相手国は直接の交戦国ではない米国が戦争に荷担したとして、今度は米国に核攻撃を行うでしょうし、これが「核の傘」の行き着くところです。

 であれば、直接の当事国ではない米国が、自ら核攻撃の災禍にさらされ、自国の領土と国民が大量に被害を受けるリスクを覚悟で、同盟国である日本を守ろうとするでしょうか?  答えは「否」であることは明白です。

 従って、多くの国民は「核の傘」を眉唾物として受け止めています。

 ましてや、今は核兵器が飛び交うような戦争の可能性は極めて低くなっているのではないでしょうか。

 世界の中では、最大の核の脅威はトランプ大統領だという事のようです。

 米国のワシントンポストが1月に行った調査では、米国民の60%が「トランプが誤って核戦争を引き起こすのではないかと恐れている」という記事を掲載し、また、カナダでも自国への脅威の源は、1位がテロで2位が米国という調査結果が出たとのことです。

 日本は、安倍晋三氏がトランプ氏に対し「日本は100%米国と共にある」と話していますが、私流に解釈すれば「何があっても貴方に付いていく」ということです。

 しかし米国は「トランプ・ドクトリン」において「米国は世界から核兵器が廃絶される時が来るまで、近代的かつ柔軟、弾力性のある核能力を保有する」とし、「使用可能な核兵器」を開発することを始めました。

 今の核兵器は1発でヒロシマ型の数百倍もの威力を持っていることから、破壊力が有りすぎて「使えない核兵器」となっていましたが、低出力、小型化、機動性、地域限定的などの他、非核兵器による攻撃に対する核攻撃の可能性を追求するなどまさしく柔軟的・弾力的な「使える核兵器」へと核戦略を変換しようとしています。

 そこで問題なのは、米国との集団的自衛権と言うことになります。

 日本が核を持たなくても、米軍と一体になる自衛隊が米軍と同じく使える核兵器の使用を迫られることになるかもしれません。

 日本は早く核の傘から脱し、非核の3原則である「持たず、作らず、持ち込ませず」の他に「使用せず」を加え、非核4原則を国是としなければなりません。


Copyright(C)高橋とおる後援会 All Rights Reserved.