根室の漁業
- 2017年08月03日
北海道議会水産林務委員会の道内視察として根室市を訪れ、根室商工会館にて長谷川・根室市長、大阪・根室漁協代表理事組合長他3単協組合長、高岡・根室水産協会会長、杉山・根室商工会議所副会頭、田塚・根室市議会議長など地域代表22人から「ロシア200海里内サケ・マス流し網漁」禁止に伴う対策について、要請を受けました。
一方的なロシアからの通告で、これまで行っていたサケ・マス流網漁が出来なくなり、根室市では、関連産業も含めておきなな打撃を受けています。
その代替え対策として始める「ホタテ養殖」に関わり、漁場の整備や関連施設整備、稚貝購入、花咲ガニやホッカイシマエビの種苗など栽培漁業センター整備など、具体的な要請を受けました。
国は、およそ100億円の緊急対策予算を組みましたが、隣の厚岸漁協はこの対策費を上手く取り入れ諸施設を整備しましたが、残念ながら、根室地域の漁協は組合員などの意見がまとまらなく取り組みが遅くなってしまいました。
水産庁は、既に対策は終わったと言う認識となっており、新たに行っているサンマ引き網漁の試験操業も結果は芳しくなく、当面2年の延長はするものの先行きは見えません。
この地域の漁業は常にロシアとの交渉に左右される不安定な環境に置かれています。
「北方4島は我が国固有の領土」と、政府は国民に返還運動の継続を求め、安倍晋三とプーチン大統領は「日ロ共同経済活動」して、ロシアの法律でも無く日本の法律でもない「特別な制度」を模索するとしていますが、この海は長い年月、既にロシア領海として実効支配されており、安全操業は画餅となっていることを地元の漁師は身をもって知っています。
そして、ロシア側の一方的な判断で常に銃撃を受ける不安の中で操業しています。
彼らは、「日ロ共同経済活動で何らかの進展が有るとは思っていない」とその本音をこっそり話してくれました。