検証できない検証委員会
- 2018年10月16日
北電が、今般のブラックアウトに関する検証委員会を立ち上げ、昨日、第1回目の会議が持たれたとの報道が有りました。
この検証委員会は北電が設置したもので、検証委員会の、メンバーは、
・委 員 長 :真弓 昭彦 北電社長
・委員長代理 :藤井 裕 北電副社長(送配電カンパニー社長)
・委 員 :森 昌弘 北電副社長
阪井 一郎 北電副社長
氏家 和彦 北電常務
魚住 元 北電常務
高橋多華夫 北電常務
藪下 裕巳 北電常務(送電線カンパニー副社長)
北 裕幸 北大大学院情報化学研究科教授
長野 浩司 電力中央研究所社会経済研究所長
橋本 智 弁護士
となっています。
なんと、11名中8名が北電役員、北氏は再生可能エネルギーや電力系統、制御工学等が専門、長野氏は原子力エネルギーや使用済み核燃料などが専門、橋本氏は、ネットで検索しましたが、これまでにどのような訴訟に関わったかは分かりませんでした。
いずれにしても、この検証委員会では経営責任を議論しないということです。
先般も国の検証委員会のことを書かせていただきましたが、国も経営責任には言及しないというもので、これでは、どこが経営責任にも踏み込んだ検証、すなわち、ブラックアウトは物理的に防ぐことが出来なかったものなのか、あるいは最悪の事態を想定したシュミレーションがあり、それに関わる対処を行えば被害は最小限に抑えることができたのか、という根本的な問題を、被害者である道民が知ることは出来ません。
今日の道新の読者の投稿欄に、「料金の安い電気もいいだろう。環境に良い電気もいいだろう。だが、大前提として電力の安定供給が無ければ私たちの生活そのものが成り立たない。・・・大規模停電に対応可能な予備電源と迅速に復旧出来る能力は必要不可欠だろう。・・・これを保有、維持出来るのは安定した利益を上げている企業だと言うことだ。JR北海道をみれば分かるように赤字企業にそんな体力はなく、収入の乏しい庶民には太陽光パネルを買う余裕もない。・・・北電に変わりうる体制の構築無しに、北電に批判を集中させて、その体力を奪うのは避けなければならない。」ということを主張されていた方がおりました。
主張されている通りの所もありますが、だからこそ北電はJR北海道とは違い、国の制度によって「総括原価方式(全ての費用を総括原価とし、さらに、その上に一定の報酬を上乗せする方式で、電気料金に含まれ、私たちが負担している)」が導入されおり、利潤が確保されています。
したがって、こんなブラックアウトなどということを起こしてはならない責務を負っているのです。
地震等の自然災害は避けることが出来ませんが、北電はその被害を最小限にする努力を怠ってはいけません。
だからこそ、今回のブラックアウトの真相を明らかにしなければならず、そうでなければ、検証委員会は単なるアリバイ作りの委員会となってしまいます。
これからも北電という会社が無くなることはないでしょう。なぜなら、電力会社は国策会社です。
太陽光パネルなども高額ですから、私たちがおいそれと設置することは出来ませんが、せめて賢く、北電より安い新電力への移行で家計への影響を少なくすることも考えなければと思います。