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楽観的なEU・EPA対策

  • 2017年11月03日

 農水省が2日、日・UE:EPAの影響分析を出しました。

 TPPの時には、品目別の実質的な影響額を算出し、それに対しての支援策として経営安定対策が講じる考えを示しましたが、今回のEPAについては、その配慮が全くありません。

 そして、TPPの場合には農作物が標的でしたが、今回のEPAでは酪農を中心とした乳製品等が矢面に立たされます。

 さらに、この分野では先のTPP以上の譲歩が求められ、大筋合意でも市場の開放を認めてしまいました。

 先の道議会においても、道としてのEPAにおける見解が示されましたが、どれも具体性が無く、「影響が懸念される」、「対策を講じるように国に求める」などを列挙し、影響額は全く示されないままとなっています。

 具体策について質問をしても「影響が懸念される」と繰り返す答弁では、どのような対策をどのような形で、どの様な範囲にどのような規模で行うのか全く判らず「雲を掴む」ような、そして「禅問答」をしているような手応えのない内容でした。

 今回の農水省の発表も、将来的な影響を認めながら「輸入の急増は見込みがたい」と楽観的な表現となっており、17年度補正予算についてもTPP時よりも腰が入っておらず、それこそ楽観が許されないと思います。

 先般、会派の農業議連では道の農政部と日欧EPAに関わるチーズや加工用生乳への影響について意見交換会を行いました。

 北海道のチーズ製造は大規模な工房が少なく、小規模ながら特徴のある個性的なチーズが作られており、固定ファンも多いのですが、ヨーロッパからの輸入品が安価に手に入れるようになると、老舗でブランド力があるオランダやベルギーなどの有名品に触手が伸びると言われていますし、ワインも同様で、フランスやイタリア、スペインなどからの輸入品が手軽に手に入れば、国内産のワインからは遠ざかるでしょう。

 それを、大した影響は生じないと楽観視し、安易な関税引き下げに合意し、必要な対策をも十分に講じない国が、食糧自給率を高めると言っても説得力は持ちません。


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