次期エネルギー計画(ブログ3841)
- 2025年02月20日
「次期エネルギー基本計画」が18日の閣議で決定されました。
これまでの計画では、原発については「可能な限り低減する」と明記されていましたが、この文章を削除し、新たに「最大限活用する」という文章が挿入されました。
さらに、原発のリプレイスについては、「廃炉を決定した原発敷地内での次世代革新炉への建て替えを認める」とされていたものが、「同じ電力会社であれば、廃炉を決めた原発の立て替えを、別の原発の敷地内で、次世代革新炉に限り認める」と変更しました。
つまり、東電が福島第1原発1~4号基を廃炉しても、他の原発敷地内、例えば福島第2原発敷地内や柏崎刈羽原発敷地内でもリプレイスを認めると言うことになります。追い詰められれば何でもしてしまうという典型的なパターンでは無いでしょうか。
さて、計画は原発を最大限活用するとしましたが、だからといって、いま以上の原発が国内で稼働するかというのは別な問題です。
つまり、再稼働やリプレイスを地域住民が認めるという事は簡単では無いでしょう。ましてや、福島第1原発の廃炉はデブリも手付かず、最終処分場は進展無し、廃炉に関わる低レベル放射性廃棄物についても処分する場所は決まっておりません。
肝心なことが何も決まっていないにも関わらず、原発の再利用だけが前のめりしていることを多くの国民は憂いています。
政府は簡単に次世代革新炉へのリプレイスを口にしていますが、この炉の建設には数兆円のコストがかかり、その建設費は国民の負担が前提となります。
今後は、新築もZEH(ゼロエネルギーハウス)やZEB(ゼロエネルギービル)となり、太陽光発電は、自宅やビルの壁や窓に貼り付けることができるペロブスカイプが普及するでしょう。国民は、自衛策として大手電気事業者に電気代を払わない選択をします。
そうなれば、高コストの次世代革新炉など、金が集まらず、絵に描いた餅となるでしょう。そういうところに思いが至らない経産省は、まさしく思考停止状態だと思います。