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止まない性的暴行(ブログ3620)

  • 2024年06月30日

 昨年の12月、16歳未満の少女が誘拐され性的暴力を受けていたことが、半年後の今月25日に沖縄県へ報告されました。

 加害者は、本島中部の公園で初対面の少女に「寒いから車の中で話そう」と声を掛けて、基地外の自宅に連れ込み性的暴行を加えたと言うことですが、この事件を那覇地検は3月に「わいせつ目的誘拐・および不同意性交」の罪で起訴していました。

 関係者が事件当日に110番通報し、通報を受けた県警が米兵を任意で取り調べ、今年3月11日付けで書類送検を行い地検が27日付けで起訴、外務省は遅くともこの日には事件を把握し、エマニュエル駐日米大使に抗議したと言うことですが、米軍及び政府から県には報告がありませんでした。

 沖縄県の池田副知事が加害者の所属する嘉手納基地のニコラス・エバンズ准将らに厳しい口調で抗議文を読み上げましたが、エバンズ准将は「その時々に応じて適切に対応している。」と応えたのみで謝罪の言葉すら発しませんでした。

 沖縄県では、1972年の日本復帰から昨年までに米軍人軍属とその家族による刑法犯の検挙件数は6235件で、このうち、今回の様な不同意性交等にあたる事件は少なくとも134件(検挙者数157人)発生し、近年では2016年にうるま市の女性が(当時20歳)が元海兵隊員にわいせつ目的で暴行され、殺害された事件もありました。

 事件が発生する度に、米軍は綱紀粛正や再発防止策の徹底を伝えますが、23年には米軍関係者による刑法犯の検挙件数が前年より18件多い72件となり、過去20年で最も多くなりました。

 米軍関係者による県民への乱暴狼藉ぶりは、目を覆うものが有ります。

 ましてや、若い女性はへの性的暴力は、どれだけの恐怖と絶望感を与える結果となったことか。性犯罪は被害者にとって生涯に残る大きな心の傷を背負わせる事にもなります。

 また、今年の5月に相次いで起きた米兵による性的暴行事件は、いずれも犯人は検挙されましたが沖縄県への情報は伝えられてきませんでした。

 各報道関係は、この間の政治的な動きが政府と米軍に作用したことも指摘しています。

 とりわけ、辺野古基地への代執行、4月の日米首脳会談、5月にはエマニュエル駐日大使の沖縄訪問、6月の沖縄県議会議員選挙。これらへの影響を懸念しての隠蔽であり、3月の米兵起訴と事件の内容が公表されれば、日米首脳会談でも話題にしなければならない事や、エマニュエル大使の沖縄訪問にも影響があること、更に、日本政府にとって大事な沖縄県議選挙が県政自民党に不利に働き、玉城デニー知事与党の勝利に結びつくことを避けたいことが、その根底にあったと結びつけることは容易に想像が出来ます。

 政府自民党が、沖縄県民の人権より政治的な思惑を大事にした結果と言えます。

 もし仮にこの被害者が、岸田氏、木原稔防衛相、上川陽子外務相など閣僚の親族だったら、このような米軍への忖度を行うのか、また、エマニュエル駐日大使やエバンス准将らの親族だったら射殺ものだったかも知れません。日米の関係者は被害者やその家族の立場だったらと言う心は持ち合わせていないのか、いや、米軍が日本の国民を「下」に見ている証左であると言うことを改めて確信する事になる事件です。


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