武器等防護の運用拡大
- 2016年12月23日
政府は、国家安全保障関係閣僚会議を開き、自衛隊が平時から米艦戦などを守る新任務「武器等防護の運用指針」について決定し、運用を始めることにしました。
これまでの日本は、憲法上の規制から、「専守防衛」に徹していましたが、これからは、自衛隊が直接攻撃されなくても、近隣にいる米軍・豪州軍が攻撃された場合、自衛隊は自らの武器を使用し同盟国軍の警護をすることが出来るようになります。
昨年の安保法改正議論は、個別の法律について審議を行わず、一括法案として提案したことから、国民の知らない間に、知らないことまで決められてしまいました。
これまでの「武器等防護」は自衛隊が攻撃を受けた場合に限り、武器使用が可能でしたが、新たな指針は他国軍にもその運用を拡大する内容となっています。
安倍晋三内閣は、昨年の安保法制国会においてこれまでの「個別的自衛権」から踏み外した「集団的自衛権」まで容認し、この議論に乗して自衛隊法を改正、「同盟国の武器等が攻撃された場合」という注釈は尽きますが、「専守防衛」から「先制攻撃」への道を開くことまで、容認することになってしまいました。
「重要影響事態」が発生した場合、同盟国の武器等を防護出来る事になり、武器等には例えば訓練中の艦船や補給船、戦闘機や輸送機等が含まれる事になりますから、すなわち訓練中であろうが、作戦展開中であろうが、とにかく攻撃された同盟国から要請があれば、その要請に答える事になります。
立場を逆に考えればA国が、B国(米軍・豪州軍)を攻撃したら、C国(日本国自衛隊)から反撃を受けることになり、その場合、A国はC国をも攻撃対象とするでしょう。
完全に戦争に巻き込まれてしまいます。
そして安倍晋三は、着実にその道を歩もうとしています。