残せETV
- 2020年12月04日
NHKの改革案として、受信料を半額にし、その変わりEテレビのチャンネルを売却するということが菅氏のブレーンである内閣官房参与の高橋洋一嘉悦大学教授が主張していますが、今NHKに求められている必要な改革とは、スポンサーの顔色を気にすること無く、無論、政権の意向を尊重する事でも無く、メンバーを含めた経営会議を刷新し、常に国民に目を向けた公共放送の使命を果たことだと思います。
多くの方々は、Eテレビを視聴したことが無いと言われるかも知れませんが、今でも午前中の幼児番組や夕方の子供向け番組は、お母さんや子供達から喜ばれていますし、とりわけドキュメンタリー番組や知識を刺激する番組を得意の分野として、多様性のあるチャンネルだと思っている方も多くいることだろうと思います。
私は、日頃そんなに時間が無いので、テレビ番組は録画したものを見ることが多いのですが、その中でもEテレビの番組が多くを占めています。
月曜日は、様々な物語や実話にちなんだスイーツをエピソードを交えてレシピを紹介する「グレーテルのかまど」、読みたいと思っていてもなかなか手に取ることがなかった古今東西の名著を分かりやすく、そして楽しく解説し25分×4回で紹介する「100分de名著」、火曜日は、社会的課題や直面している様々な問題は、過去の先人達が取り組んできたことに通じるものが有るという意図のもとに、歴史上の人物の知恵と行動から解決のヒントを探っていく「知恵泉」、水曜日は、訳ありのゲストを招き、聞き手とゲストがぬいぐるみをを被ることによって本根を引き出し、何でも話すことによって本質を探るトーク番組「ねほりんぱほりん」、木曜日は、出演者も障がいを持っている方で、若い当事者が障がいを気にせず、時には障がいをネタにしながら明るく作り上げて行く情報・バラエティー番組の「バリバラ(意味はバリアフリー・バラエティー)」、金曜日は、世界で活躍する制作者達による秀作ドキュメンタリー番組の「ドキュランドへようこそ」、土曜日は、海外で制作されたノンフィクション番組を吹き替えで放送する「地球ドラマチック」、NHK総合テレビでは取り上げにくいアカデミックなテーマや一般の関心よりも先行したテーマを取り上げる「ETV特集」、日曜日は、古今東西の美を美術館や作者、テーマなどを設定しながら追求する「日曜美術館」、暮らしの中にある器、家具、着物、料理、建築など様々なアイテムを掘り下げて伝える「美の壺」、最先端の科学や技術、自然現象や原発事故など専門家や研究者による解説とCGを使った映像で分かりやすく解説する「サイエンスZERO」などが、私の知的好奇心を刺激してくれます。
他にも囲碁や将棋、歌舞伎や能など、優れた番組があると思いますが、まさに総合テレビにはない多様性を持っている公共放送らしいチャンネルで、私はそのために受信料を払っていると言っても過言ではありません。
私の見る総合テレビは、朝の連続テレビ小説と大河ドラマ、大相撲、それとNHKスペシャル、クローズアップ現代くらいでしょうか。
NHK改革にETVを売却するなど、例が妥当ではないかも知れませんが、日本学術会議を否定するようなもので言語道断だと思います。