水は命です
- 2018年12月09日
水道法改正案が国会を通ってしまいました。
この審議でも、政府はインチキなデーターを提出し、中身を説明できない法案を強行的的に採決してしまったのです。
世界の目を向ければ、00年から16年までの間に民営化を行った37カ国267の自治体が再公営化に踏み切ったという例があるように、民営化には多くの問題点が有ります。
まずは企業は公営と違い、利潤を追求する組織であると言うことです。
公営のように市民のために仕事をするという立場には立ちません。当然、会社の利益を第1に事業運営をするという立場です。
と言うことは、公営から民営になった時点で市民が支払う水道料金には利益をというものが含まれることになります。
そして、水道事業には競争相手がおらず運営会社は独占企業という優位な立場を維持することが出来ます。
水道料金が高く支払えない場合は、事業者は水道を止めればいいことになります。
水道料金は貧困家庭であっても支払わなければならず、各自治体で導入している減免制度も、生活保護世帯や児童扶養手当受給世帯などの条件付きですが、ただというわけにはいきません。
これまでに、生活保護申請をすることなく、経済事情から水道料金を滞納し水道を止められて衰弱して死亡した悲しい例は全国に多くあります。
水・電気・ガスはライフラインです。
そして、現代では水が無ければ暮らしが成り立ちません。
街の中には銭湯が無くなり、公衆衛生を維持するには自宅のお風呂に入らなければなりませんし、トイレはほぼ100%水洗トイレとなっています。
貧困家庭では、風呂に入ることも出来ずにシャワーさえも1週間に一度以下だったり、水洗トイレも流す回数を減らすと言うことが現実の問題として取り上げられています。
しかし、民間の事業者は容赦しません。
その防波堤となるのが行政ですが、減免は申請主義であり、そのことを知らない方々が犠牲となってしまいます。
また、日本は世界でも珍しい国で公園に行ってもただで水が飲めますが、これが保たれる事はなくなるしょう。
水質管理も、民営化されれば自治体の関与が薄くなり、自治体にも水質の専門職員がいなくなってしまいますから監視が行き届かなくなります。
水道管の管理については、古い水道管の取り替えには1kmで1億円の費用がかかるとも言われていますから都市部では何百kmにも及ぶ水道管の更新は大きな負担となってきますし、大地震などの災害に対応するには、相当数の技術者と費用を要します。
また、田舎などの過疎地でも、一人住んでいる所まで水道管は必要となってきます。
水は、命です。水源の確保は国の要諦であり、ダムや湧水は財産です。
地球上の真水は全体の3%、すぐに使用できる地表の水は0,01%しかありません。
途上国では、水不足や汚染も深刻な問題となっています。
再公営化をするにしても契約条項により事業者にはそれ相当の違約金を払わなければなりません。
与党+日本維新の党の国会議員は、何も考えないのでしょうか。
「産業競争力会議」など竹中平蔵にあらゆる諮問機関を牛耳られ、そのお友達の安倍晋三氏に公認権を握られている方々の、政治家としての矜持を深く憂います。