汚染水と化学物質
- 2018年10月15日
9月3日のブログ「汚染水処理」で、フクシマ原発の汚染水処理について、原子力規制委員会が海洋放流が唯一の解決法と示したことについて、地元漁業関係者との公聴会で多くの反対の声が出されたこと、さらに、汚染水に含まれる放射性物質「トリチウム」については海洋環境保全に関わる「ロンドン条約」に反することなどを掲載いたしました。
その後、10月12日に東電(東京電力)が、「原発事故処理作業で発生した汚染水を浄化してきたが、この処理水の中に法令基準を超える放射性物質が含まれている」ことを明らかになりました。
東電は、これまで多核種除去装置(ALPS)によりトリチウム(三重水素)が基準値以内であることを主張していましたが、ALPSによる除去が終了した処理水89万トンのうち、84%にあたる75万トンに基準値を超える放射性物質が含まれ、さらに6万5,000トンは基準値の100倍を超えているということです。
また、一部のタンクでは、人体に有害な「ストロンチウム90」が基準の2万倍にあたる1リットル当たり60万ベクレルも検出されたとのこと。
さて、東京新聞2012年1月6日付けの記事には、東京電力への取材として、「フクシマ原発の原発事故処理作業では、腐食防止のため大量の化学物質を投入」したことが記載されています。
その化学物質とは、「ホウ酸やヒトラジン」という猛毒です。
・ホウ酸=毒性→吐き気、嘔吐、下痢、致死量は2000~4000mg/kg
殺菌剤、殺虫剤、難燃剤、原発におけるウラン核分裂反応の制御
フクシマ原発に約105トン投入
・ヒトラジン=毒性→(吸入した場合)呼吸器粘膜を激しく刺激し腐食する、肺気腫や呼
吸困難を引き起こし、中枢神経、肝臓、腎臓の機能障害を引き起こす。
(皮膚に触れた場合)皮膚を激しく刺激し腐食する。皮膚からも吸収し、
吸入と同じ毒性症状を引き起こす。水質汚濁法により規制されており、そ
の容器には猛毒を示す髑髏マークが付いています。
フクシマ原発に73トン投入
これらの化学物質は、東電も環境省もその除去などを明らかにしていません。
放射性物質のトリチウムだけではなく、化学物質も含む汚染水。
やはり、海洋放流などをするべきではないと思います。