沖縄の怒りを
- 2016年05月29日
沖縄うるま市で起きた、米軍軍属シンザト・ケネス・フランクリンによる島袋里奈さん殺人事件に関し、翁長知事は安倍晋三に対し、サミットで来日するオバマ大統領との会談を要請しましたが、菅官房長官は「外交は、中央政府で協議するのが当然」と軽く突っぱねてしまいました。
サミット前夜の日米首脳会議は約1時間行われ、安倍晋三はその後の記者会見で「その多くを沖縄の事件に費やし断固抗議した。オバマ大統領は哀悼の意を表明した」と述べ、オバマ大統領は「事件に関わる日本の捜査に全面協力する」としましたが、会談ではその他にも、「北朝鮮問題」「世界経済」「航行の自由」「TPP」など重要な案件についても意見交換を行ったと話されました。
1時間の会談は、通訳を介しますので実質は30分、その中で、沖縄事件と先程の4項目の案件も話されたと言うことは、単純に計算すると30分÷5件=6分ということになり、沖縄の事は6分間の話し合い、それもお互いが話すのですから6分÷2人=1人3分ということになります。こんな短い時間では、枕言葉だけで終わりです。
実質的な話し合いなど望むべくもない「アリバイ」としか思えない内容ではなかったかと思います。
しかも、「日米地位協定の改定」や「基地縮小」などは全く話されなかったことから、沖縄県民が「茶番劇だ」と怒るのは無理もありません。
安倍晋三が「沖縄の思いに寄り添う」と言っていたのはやっぱり「嘘」だったことが判ります。もし、本当に寄り添う気持ちがあったなら、会談の冒頭に翁長知事を同席させ、直接オバマ大統領に沖縄県民の気持ちを伝えさせることは出来たのではないでしょうか。
昨日、沖縄米軍のトップであるローレンス・ニコルソン地域調整官が記者会見し、期間を限定した基地外での飲酒禁止などの綱紀粛正を「米軍関係者に罰則を与えるためではなく、喪に服するためのものだ」と話されたようですが、ここに、米軍の沖縄を見下す態度が表れていると思います。
米軍基地問題を調べる英国人ジャーナリストのジョン・ミッチェル氏が情報公開請求で入手した海兵隊の研修冊子に、「米軍が絡む犯罪は沖縄県全体の犯罪数の1%にすぎない」「沖縄県民の議論は論理的というよりも感情的である」「多くの県民にとって軍用地料が唯一の収入源である」などが書かれている事が判りました。
結局、米軍は沖縄を今でも占領地のように意識し、米軍が居ることで沖縄は成り立っているという「上から目線」を変えようとしていません。
沖縄県議会議員選挙が27日から始まりました。
48議席に対し、71名が立候補したようですが、沖縄県民の怒りがこの選挙に表れることを、そして、翁長知事与党の圧倒的勝利で、地位協定の改定や辺野古などの基地問題にくさびを打つ「力」としたいと思います。
そして、続く参議院選挙にて、沖縄県民の意を介さない島尻安伊子沖縄・北方担当相の落選に結びつけたいと思います。