泉代表は慎重な発言を(ブログ3030)
- 2022年10月25日
立憲民主党の泉代表が都内で開かれた自身の講演会で、自ら憲法論議に言及し、「維新とは、実は差があってないとも言えるのでは無いかと最近思っている。」と発言、さらに自衛隊の明記などの9条改正を主張する維新に対し、「集団的自衛権をフルで認めることは、我々はまだ問題があると思っている。必要であれば(国会の憲法)審査会の中で議論すれば良い。決定的な対立ではないのかな、と感じている。」と主張しました。
これに対し、共産党の小池書記長は「9条を守る事は野党共闘の原点。9条を守り、9条改憲の議論をしないことを、この間、野党と市民連合が繰り返し確認してきた。」、「立憲主義は、立民党の原点でもあるはずで、果たしてどうなったのか、疑問を持たざるを得ない。」と発言、志位委員長も、「もしも立憲代表が憲法を巡って維新と協力の余地ありと考えているとしたら、とんでもない勘違いと言うほかない。」と泉代表の発言に疑義を投げかけました。
泉代表がなぜ、どういう意図でこの発言を行ったのか、その真意は知るべきもありませんが、これまで立憲民主長は、憲法改正には慎重な立場を貫き、9条に自衛隊を明記すれば、憲法上に位置づけられた機関として、他の法律より優位に立つことにより国の三権と同様の立場となることに危惧を抱き、そのことを党員やサポーター、国民に訴えていたではないですか。
また、緊急事態条項や憲法53条による臨時国会の開催時期の明記などは、憲法を改正しなくても法改正で可能と訴えてきましたし、唯一、憲法改正を行うのであれば、『憲法の基本理念を具現化し、真の立憲主義を確立(憲法は国民を縛るものでは無く、権力を縛るものである)すべく国民とともに憲法対話を進め、補うべき点、改めるべき点について議論を深め、未来志向の憲法を構想する』というスタンスだったはずです。
憲法9条を改正し、自衛隊の明記や集団的自衛権の発動に関して議論を始めれば、どこかで妥協点(落とし所)を求められ、そこが「蟻の一穴」となってしまいます。
9条擁護の姿勢だからこそ、他党との共闘や市民連合(北海道では「市民の風」)などの国民運動と連携をしてきましたし、そのことの上に立って、立憲民主党を応援してくれている市井の方々がいるのではないでしょうか。
泉代表は、そのことを十分に受け止めて、要らぬ波風を立てずに安定した党運営に力を尽くしてほしいものだと願います。