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泊の核燃料船(ブログ3671)

  • 2024年08月29日

 泊原発における規制委員会の審査が徐々に進んでいます。

 私にとっては少し不満であった「基準値振動」も低レベルで承認してしまいました。そして、次に控えていたのが泊原発敷地内の港湾に設置されていた「核燃料船」の漂流対策です。核燃料を輸送している燃料船は、大地震などの災害時に起きる津波を真横に受けると大きな力によって岸壁に打ち付けられるか、固定しているロープなどが切れて漂流し、防潮堤に損害を与えてしまうことが想定されることから、規制委は大きな問題として北電にその対策を支持していました。

 北電は、規制委に対してロープを強固にして漂流しないように対策を示しましたが、規制委は様々なシミュレーションを検討すればロープが切れることもあり得るとして承認せず、より安全な対応を北電に求めてきました。

 窮地に落ち込んだ北電は、当然のことから経産省などにアドバイスを求めたものと思います。その中で出てきたのが、敷地内に設置した港湾ではなく別の場所に核燃料船専用の港湾を建設して核燃料は陸上から運搬するという静岡県の浜岡原発の例を当てはめようという結論に達したものと想定します。

 その候補地が、泊原発から約7km範囲で港湾を建設するに適した泊村内と言うことにようです。次善の策として、お隣の岩内港も一応候補とするようですが、泊村以外は、新たに住民の理解を得なければならず、既に原発施設が設置されている泊村の方が手続きの上でも簡便との判断もあったのでしょう。

 浜岡原発は核燃料船が着岸する浜岡港から10kmということですが、どのように陸上運搬を行っているのか、それが泊に当てはまるのか、泊の場合、何処の道路を使用するのか、その場所に港湾を建設した場合、核燃料船の津波対策は万全となるのか、運搬時の安全対策はどのように考慮されるのか、様々な課題をクリアーしなければなりません。

 そしてこの建設費に500億円を投入するとのことですが、これまで、泊原発再稼働に関わる安全対策にどれほどのお金がつぎ込まれたのでしょう。そして、それは全て電気料金に上乗せされることになります。

 仮に原発が稼働しても、使用済み核燃料を再利用する核燃サイクルは破綻、仮に核燃サイクルが稼働してもそこから生み出されるMOX燃料を使用出来るのは国内で4原発のみで、とても全て再利用が出来るわけではなく余剰のMOX燃料の行き場もない。

 さらに、核燃サイクルで排出される高レベル放射性廃棄物の最終処分場は決まっておらず、これも仮に寿都町や神恵内村が決まっても残る概要調査・精密調査終了後に建設に入り、搬入できるまでに30年以上を要することになります。

 なぜ、国民の電気代を青天井の様に搾取してまでも原発に固執するのか、全く理解が出来ません。


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