泊原発過酷事故シミュレーション
- 2012年03月28日
福島原発事故後、全国にある停止中の原発に関わるストレステスト評価も徐々に出始めたことから、再稼働するかどうか地元の判断が大きなウエイトを占めることにになり、再稼働の可否が注目されています。
一方、泊原発1号炉、2号炉に対しての知事の見解は、まず国が判断すべきと、いつものように自らの判断を先送りしております。
安全性への対処が実施されても、事業体の北電自ら「絶対安全は不可能」との見解を述べられているとおり、事故はあり得るものなのです。
しかし、これまで、全国どこの原発も国の定めたEPZ範囲内での防災計画のみで、今までの「事故は起こり得ない」という絶対的な認識から、今回の福島原発事故のような具体的な過酷事故を想定したシミュレーションは作られておりませんでした。
しかし、これからは事故はあり得るものとして、最低でも福島の事故を基準にし、水素爆発、メルトダウン、放射能の放出、そして、季節、気候、時間帯を想定し、避難方法や事故への対処等を考えなければならず、各原発立地県はその責任の下に過酷事故を想定したシミュレーションを作らなければならないものと思います。
現実を直視すると、これまで原発立地県で策定した現状の原子力防災計画はEPZを基本とした過小なものであり、実際の事故に対処できない机上の空論に近いもので、既存のオフサイトセンターの立地場所一つとっても現実離れしていることが判ります。
「泊原発で福島原発級の事故が起きた場合のシミュレーションを策定すべきではないか。」という私の問に対し、知事は「道ではこれまでEPZ範囲内で防災対策を講じてきたもので、今回のような過酷事故に関わるシミュレーションは行ってこなかった。今回の福島の事故を踏まえた過酷事故を想定する必要があり、国において、放射能物質の拡散シミュレーションを行うこととしており、道としても泊原発にかかるシミュレーション結果を原子力防災計画の見直しの中で反映したい。」と答弁しました。
既に、国においては「SPEEDIスピーディー(緊急時迅速放射能影響予測システム)」を活用して全国各原発の季節、気候、時間帯を考慮した24時間×365日=8,760パターンのシミュレーション策定に取りかかったようです。
早い情報提供を望むと共に、このシミュレーションが公表されれば、国民は自分の住んでいる土地がどのように放射能に汚染されるか判ることになります。
国において着実に脱原発へとシフトしなければ、国民は納得しないことになると思います。