法定外目的税の免税措置
- 2017年11月23日
北海道観光審議会が、法定外目的税である「観光税」導入についての道の諮問に対して、来道者から一律徴収する「入域税(来道税)」と、ホテルや旅館などに宿泊した場合に徴収する「宿泊税」の2案を提示しました。
併せて、この2案の課題や税の公平性についても提示し、来月から道民を対象にパブリックコメントを募集して年度内に最終案を答申するとのことです。
<入域税(来道税)>
・課 題~道民も課税対象になり、レジャーや観光、ビジネスなどで道外を訪ね、道内に
戻って来る時に課税対象となる。道民を免除することは困難。
・公平性~道外から道内へ移動する全ての人に課税するため公平。
<宿泊税>
課 題~道民だけ免除することが困難で道民も課税対象。併せて入湯税も徴取される。
公平性~東京都や大阪府のように宿泊料が1万円未満の場合の宿泊客に課税しない場
合、公平性に欠ける。
と言うものです。
多くの方は北海道のホームページへ、パソコン等を使用しパブリックコメントに意見を反映されることは無いでしょうが、道民にも課税し、徴取することについて割り切れない思いをされていると思います。
調査によれば、16年度に道外から道内に移動した人の約45%、道内宿泊客の約55%が道民だということです。
徴収額は決まっていませんが、道外出張の多いビジネスマンにとっては、痛手です。
今徴収している自治体は、宿泊税で1泊当たりの上限額(宿泊料金によって税額が違う)は、東京都200円、大阪府300円、京都府1,000円となっており、京都府は民泊も含みます。
他に入域税では、沖縄県で3つの村が「環境協力税」という名目で、1回の入域で100円(障がい者、中学・高校生など地域によって免税措置有り)、岐阜県では「乗鞍環境保全税」として乗鞍鶴ヶ池駐車場を利用するたびに普通車で300円を徴収していますが、基本的に地元住民への免税措置は有りません。
北海道では、奥尻島が入域税を検討していましたが、島民も対象となることから今は断念しています。
私も、道民から徴収する事にはいささか疑問を持っています。
審議会では、道民を免除することが困難としていますが、果たしてそうでしょうか。
課税は一次的に航空会社やJRなどの交通機関が担うことになります。
北海道への入域は、必ずJR、航空機、フェーリー等の交通機関を利用することになります。その場合チケット購入時に道民であることが分かる運転免許証などの身分証明書を提示することで、税を免除することは可能だと思います。
宿泊についても同様の身分証の提示で道民かどうかを区別することが出来ます。
東京都や大阪府、京都府などの大都市の住民は、交通機関が発達し朝早くから夜遅くまで運行されていますから同じ区域内で宿泊する事は希ではないでしょうか。
しかし、北海道は、22県分の広さがあり、移動する交通機関が限られ、運行時間も制限があり、道都まで200km~300km離れている自治体が多く、宿泊は必須となっており、さらに、函館地区を中心とする道南は、東北と経済圏域を形成しており、例として新幹線を使用すれば、仙台まで2時間半程度ですが、札幌までJRを使用した場合3時間半~4時間かかります。
人口密度が高い都会とは根本的に移動環境が違いますし、離島でもありません。
入域税や宿泊税の法定外目的税を導入する際には、是非、道民を免税にして欲しいものだと思います。