海外視察は悪?(ブログ3594)
- 2024年06月04日
米国ポートランド市で開催される姉妹都市提携65周年記念事業に、札幌市議会議員12名が公費で訪問することに対し、報道では、「視察の意義について市民にわかりやすく説明する必要がある。」という論評を掲載していました。
議員の海外視察には何時の場合でも批判の対象になる場合が多いのですが、それは、ナゼなのでしょうか。
今回の札幌市議会議員の訪問は、周年記念行事への参加と言うことです。
札幌市は、国際都市として多くの海外都市と姉妹・友好提携を結んでいます。
北海道の場合も、世界各国の州との友好協定を締結していますが、議会も相手国の州議会と友好協定を締結しています。
これは、ローカルからグローバル(グローカル)へ、つまり地方も世界基準の視点を持って、世界で通用する企業や人材の育成、投資の誘導、文化の相互理解、街作りや自治のあり方等を進め、国レベルの外交から地域レベルの外交を推進する事により、地方創生を進める目的で、各自治体も関係する都市との交流を進める「友好都市協定」を締結してきました。
これらは、自治体のみで進める事では無く、議会も相まって進める必要があることから自治体が提携する都市(州)の議会と友好協定を締結してきました。
外交は、相手国との関係を築くことから始まりますが、提携5周年や10周年などの記念行事の場合、相手に招かれれば表敬訪問をしますし、その返礼としてこちらが相手都市の首長や議会議員の代表を招待します。これは、5年目に相手国が訪問し、その5年後にこちらから相手国を訪問するという10年に1度の儀礼となっています。
つまり、外交上の答礼・返礼という儀礼で、札幌市の場合も姉妹友好提携を結んでいる都市から、周年記念行事の招待を受け首長と議会関係者が訪れます。
当然表敬訪問した場合は、相手都市での物品販売のフェアー開催や観光プロモーションへの参加、自治体としての先進的な取り組みの視察や、経済関係者との意見交換、教育・文化関係者と子ども達の交換留学や教育・文化交流などの招聘など、スケジュールは盛りだくさんです。
しかし、残念ながら、道民や市民の方々への広報が不十分であるのか、住民が興味を示さないのか、理解が得られていない面が多いと思います。今回の訪問も、円安も含めてこれまで12人という派遣数を見直して、人数を絞るという努力も必要だったのでは無いかと思います。
北海道も、中国:黒竜江省、大韓民国:釜山広域市・慶尚南道・ソウル特別区・済州特別自治道、タイ王国:チェンマイ県、カナダ:アルバータ州、アメリカ合衆国:マサチューセッツ州・ハワイ州、ロシア連邦:サハリン州と姉妹友好提携州を締結していますし、
海外に「北海道事務所(サハリン、シンガポール、上海)」を設置して経済を中心に様々な対応を行い、情報の収集もしています。
地方自治体も政府と同じように、世界との交流を深め、また、発信をしなければななりませんし、そしてこれは首長や行政だけでは無く、議会も協働して推進しなければならないことだと思っています。