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消費税増税の前に(2)

  • 2012年03月01日

さて、消費税増税の前に不公正税制を是正すべきという私の考えで、先般は「輸入戻し税」について触れさせていただきました。
次に「法人税」ですが、先般、地元函館の道立高校創立100周年記念祝賀会で同席した、ある企業の社長が、「民主党は何をやっているのか。法人税を減税しなければ会社はもたない。日本は法人税が高く、このままでは企業は海外に出て行く。」と民主党政権を批判していましたが、本当に法人税は海外に移転しなければならないほど会社経営を圧迫する税率となっているのでしょうか。
法人税率は、1989年度からの40%、1990年度からの37.5%、1998年度からの34.5%、1999年度からの30%、そして2012年度は25%(震災復興のため一部中断)というように、政策的に減税してきました。
「財務省の法人企業統計」によって算出した文献を参考にすると、この間、企業の内部留保額は約400兆円になろうとしております。
一方、法人税収入は1988年の18.4兆円から、2010年には6.0兆円と、三分の一にまで落ち込んでいます。
法人税は、設備投資をし、商品やサービスを売り、売り上げから材料の仕入れ、人件費などの諸経費を差し引いた利益に対し課税されるもので、企業の競争力には何の関係もないものです。
従って、法人税の増税というのは株主配当の取り分が減るだけで、社員や社会には全く影響がないものと言われており、法人住民税を含む法人税は企業の支出の1%程度で企業活動の中ではほとんど影響が無いとも言われています。
法人税を10%上げても、商品価格に反映するのは0.1%で、1,000円の商品が999円になるだけです。企業はたった0.1%のために海外に行くのではなく、人件費が安いからで、税金が安いから中国へ拠点を移したなどということはあまりお聞きしないと思います。
このほかにも法人税特例として、株式発行差金非課税、受取配当益金不算入、各種引当金・準備金、特別償却・割増償却、試験研究費の税額控除、間接及びみなし外国税額控除等々の優遇があります。
産業の支援は大切なことですが、「国亡くして企業有り」では何もなりません。
消費税増税で消費マインドが低下して企業収益が下がるよりも、法人税等の見直しが先のような気がします。(参照:週刊金曜日、月刊・日本の進路)


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