漂流するTPP
- 2017年10月24日
ニュージーランドの総選挙で、与党第1党の国民党がかろうじて第1党を維持しましたが単独過半数には達せず、第3党の「ニュージーランド・ファースト(NZF)」と連立の協議に入ろうとしました。
しかし、このNZFはTPP(環太平洋経済連携協定)に反対の立場をとっており、逆に第2党である労働党と連立を組む事になったことから、労働党のアーダン党首が次期首相に就任することになりました。
このアーダン党首率いる労働党は高騰する住宅価格を抑制する政策を掲げ、外国人による中古住宅購入を規制することを訴えています。
TPPは外国人による不動産投機も含まれていることから、アーダン氏はTPP交渉参加の条件にこのことの修正を加えることを主張しています。
従って今度のAPEC首脳会議ではこのことも加えられ、認められなければ合意への赤信号も灯ることになりそうです。
米国が離脱し、残る11カ国での成立を目指している日本にとって、ニュージーランドの参加条件は新たなハードルとなりました。
今後は交渉次第で、オーストラリア、ブルネイ、カナダ、チリ、マレーシア、メキシコ、ペルー、シンガポール、ベトナム、そして日本の10カ国となってしまうかもしれません。 いったい何処に行ってしまうのかTPP。
米国への自動車輸出等の見返りの日本農業を差し出した日本、その米国が離脱し、農業大国のオーストラリア、ニュージーランドを相手にすることで今度はその矛先が日本の酪農に変わることになります。
そんなTPPに果たして日本のメリットはあるのでしょうか?