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為政者と記念式典(ブログ3653)

  • 2024年08月07日

 昨日、午前8時から広島平和祈念式典が行われました。

 松井広島市長、湯崎広島県知事の「平和宣言」にはうなずくばかりであり、小学校6年生の加藤晶さん・石丸優斗君の「平和の誓い」には心打たれるものがありました。

 その上で、岸田首相の「挨拶」を聞くと、何と空疎な言葉の羅列なのかと落胆してしまいます。

 日本はこれまで「核なき世界」を希求してきましたが、その一方で「核の傘」の維持に心血を注いできました。

 2016年、当時のオバマ大統領が検討していた「核の先制不使用宣言」に安倍氏がクレームを付け、「核抑止力を弱める」として反対の意向を米高官に伝えました。

 その結果、「核先制不使用宣言」は行われず、核実験を禁止する国連安保理決議の採択も無きものとなってしまいました。つまり、核軍縮の足を引っ張ったのが日本と言うことになります。

 先般は日米2プラス2の閣僚会議で「米国の核抑止力を共有する」と、これまでの考えを1歩前に進め、「米国の核保有を認め、その核に日本の平和を依存する拡大抑止力を強化する」立場を鮮明にしました。米国の核は認め、その核で日本を守って欲しいが、他の国へは核軍縮を求めるという、誰が聞いても矛盾のあることを臆面も無く話す岸田氏。

 今回の祈念式典には、ウクライナに侵略し核の使用を示唆したロシア、さらにベラルーシを招待しなかったのは平和を求める日本として当然だと思いますが、なぜイスラエルを含まなかったのか疑問です。イスラエルもガザへの核使用をほのめかしています。

 一方、隣国等との対話を行わず安保環境の悪化を理由に軍備増強にひた走り、さらに核無き世界に逆行する日本政府はどうなのか。この国の為政者を来年の祈念式典に招待するのが相応しいのか考えてしまいます。


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