無投票と自治(ブログ3203)
- 2023年04月30日
統一自治体選挙も終了し、各自治体では気持ちも新に街づくりが行われる事になります。
さて、今回の統一自治体選挙を振り返ると、道内における今後の自治に黄色信号が点り始めた事を突きつけられた気がします。
道内の道議会議員選挙区46の選挙区、定員100名の内、19選挙区、併せて30名が無投票で当選を決めました。これは、今回行われた41道府県の平均25%を大きく上回る33%にもおよびます。
内訳は、定員4名の空知地域、定員2名の札幌市厚別区、室蘭市、北見市、岩見沢市、石狩地域、日高地域、渡島地域、定員1名の網走市、名寄市、根室市、登別市、伊達市、胆振地域、桧山地域、宗谷地域、オホーツク東地域、根室地域の併せて19選挙区30名です。
この内訳を見ても判るとおり、都市部、地方都市、郡部を問わず無投票当選となっており、この地域の有権者数はおよそ105万人で、全体の約4分の1にも上る方々が、道民の声を吸い上げて道政に反映するという任を負うべき議員を選択するという選挙の機会が与えられなかったことになります。
さらに、市長・町村長選挙では市長11選挙区のうち3選挙区、町村長35選挙区のうち28町村長が無投票で、町村長選挙では約71%が無投票となっています。
また、町村議選挙では、100町村議選挙区で48選挙区が無投票、定数割れは11町村議選挙区でとなり、前回の4町村より3倍近くに増えてしまいました。
このことは、国民(有権者)一人ひとりに与えられている基本的な民主主義による選択という権利が、物理的に行使出来ない事を意味します。
なり手不足が言われて久しくなりますが、人口減少時代で有権者の数も減少し、議会の定数を少なくすることで乗り切ろうとすれば、住民の声を反映するべき代表が少なくなります。
その事は、民主主義が遠のくと言うことに繋がります。
一方、選挙の回を追うごとに投票率も低下しています。
有権者が自らの権利を放棄することは、為政者に白紙委任状を渡すことを意味し、それをチェックする議会の議員が定数を満たさなかったり、また、少なくなれば、住民自治も遠のいていきます。
政治は生活そのものです。私たちの生活は政治によって決定されます。改めて一人ひとりが政治に関心を持ち、その権利を行使しなければ、為政者が「ほくそ笑む」ことになるでしょう。