無理なマイナポイント
- 2020年07月27日
道新に政府広報の全面広告が掲載されました。
総務省からの広報で、多分、全国紙や主要地方紙にも掲載されたのだと思います。
内容は、「マイナンバーカードでマイナポイント:上限5,000円相当もらえる!」と大書きされ、俳優の舘ひろしさんがゆるキャラのマイナちゃんの着ぐるみを着て「うれしいこと、みんなに届け。」と話している写真と供に、手続きはカンタン3ステップ:マイナカード取得→マイナポイントを予約・申込→キャッシュレス決済でチャージorお買い物。
となっています。
このマイナポイントには2,458億円の予算が投入され、7月から申込が始まり、9月1日から来年の3月末まで還元が受けられます。
マイナンバーカード(マイナカード)の普及率は、今年1月段階で国民の約15%で、コロナ禍での経済対策として一人10万円の特別定額給付金支給時に、手続きが早くなると言う政府の触れ込みがあり、今は約20%の取得率となっています。
しかし、取得率が増えたのは、総務省が国家・地方公務員とその家族に半ば強制的な取得推進を行ったことも遠因となっています。
このマイナカードの普及をもくろむ政府が、今回は大枚をはたいてキャンペーンを始めましたが、政府広報のように手続きがカンタンかというと、そうでもないようです。
広報では、マイナカード取得後にマイナポイントを予約・申込だけでOKと宣伝しますが、まず、マイナカードの取得に約1ヶ月程かかり、次にパソコンやスマートフォンにマイナポータルを取得し、マイナカードをマイナポータルで読み取り、さらにマイナポイントを管理する口座である「マイキーID」の設定と暗証番号の設定を申請者自身が行なわなければなりませんし、その他にも、ポイント付与の対象となるキャッシュレスサービスをどれか一つ指定しなければなりません。
現在、マイキーIDを取得している方は約249万人、マイナカード所得者の約1割ですが、政府はマイナポイント事業で4,000万人の利用者数を見込み予算を計上しました。無謀とも言える数字ではないでしょうか。
更に、この事業の事務局は、またあの政府御用達の大手広告会社「電通」関連会社の「一般社団法人環境共創イニシアチブ」で、委託費約350億円、これを電通に139億円で再委託、電通は関連会社に再々委託し、そこからさらに再々再委託されています。
皆さん思い出してください、特別定額給付金にマイナカードで申請したら、各自治体のシステムがダウンしトラブルが続出、結局手作業で入力を行ったことから、郵送の申請よりも給付がかなり遅くなってしまったことを。
誰が考えても、国民の約3分の1である4,000万人の利用などあり得ないですし、システムの脆弱さから現実的に不可能だと思います。私は、5,000ポイント(円)には欺されません。