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無知な統治者(ブログ3894)

  • 2025年04月19日

 トランプが、「米国は日本を守るために何千億ドルも支払っている。しかし、もし私たちが攻撃されても、彼らは何もする必要が無い」、「誰がこんな取り決めをしたのか」と
イチャモンを付けていると先般のブログに掲載しました。その際に、日本は米軍の「日本駐留経費の約2,000億円を負担している事も記載しましたが、改めて正確な金額を掲載します。

 25年度の「思いやり予算」は2,274億円となっています。78年に対日貿易赤字を理由にした米国の圧力で、当時の金丸防衛庁長官が「思いやり精神で」と始まったのが62億円、それがあれもこれもと増え続け、約37倍まで膨れ上がりました。

 対象も、当初は日本人基地従業員の福利厚生費でしたが、今では、基地の施設整備費、日本人基地従業員の給与や手当、基地で使用する光熱水費、米空母艦載機の陸上着陸訓練(FCLP)費、訓練し機材調達費等に拡大しています。

 さらに、1997年度には沖縄での米軍実弾射撃訓練の本土移転費など、SACO(沖縄に関する特別行動委員会)経費を負担することになり、これも25年度で111億円が予算化されています。

 07年度からは米軍再編経費の負担が開始され、25年度予算には、その中に含まれる辺野古米軍基地建設費や鹿児島県馬毛島へのFCLPの基地建設費などに2,146億円
が計上されていますが、辺野古基地についてはこれまで、2014年度で総工費3,500億円と試算していましたが、これが2019年には9,300億円に膨れ上がり、2022年度には全体工事の16%の進捗となりましたが、この時点で4,312億円、すでに試算の半分が使われてきました。

 そして、現在始まっているのが、軟弱地盤と言われる箇所の難工事です。

 水面から海底まで30m、その下の地盤に杭を打ち込まなければなりませんが、そこから60mがマヨネーズ状の軟弱地盤、そこに砂の杭を7万1,000本打ち込まなければ海上に設置する滑走路は出来上がりません。しかし、日本がこれまで行った同様の工事は水深70mまでで、30m+60m=90mのくい打ちは未知の世界であり、それを行う工事船も所有していないのです。

 沖縄県によると、この無謀な杭打ち工事が成功したとしても、総工費で2.6兆円以上と試算されています。

 さて、話しを戻しますが、辺野古や先の三つの合計に基地の提供に必要な経費(騒音対策費等)などを合わせると、24年度だけでも8,601億円にも達します。

日本は米軍基地に対して、これ程多くの額を貢いでいます。さらに、今後負担するであろう辺野古基地を含めば、膨大な額となっていきます。

 トランプの「無知」はご存じの通りですが、そもそも、在日米軍は日本を守るために駐留しているのでは無い事は先般のブログでも掲載しましたが、日本人の中にはトランプの言っているように、有事になれば米国が日本を守ってくれると頑なに信じている方が多いのですが、自衛隊元幹部も、「在日米軍基地は日本防衛のためにあるのでは無く、米国中心の世界戦略のために存在する。ということは現在では当然のこと」と話しています。

 日米地位協定24条では、「基地の提供に必要な経費(土地の借上料や補償費)を除き、『日本国に合衆国軍隊を維持することに伴う全ての経費』は日本国に負担を掛けないで合衆国が負担する」と定めています。

 歴史も地位協定の中身も交渉経過も、何も知識に無い無知なトランプ、はったりとメンツだけのトランプの言葉には、何も臆することなど無いと思います。


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