燃料油の補助金(ブログ3337)
- 2023年09月18日
岸田氏は燃料費の補助金を9月末までから年末まで延長することを決めました。
既に約6兆円という国費が投入されています。
以前、私のブログで、<補助が年末までとなるだろうか?北国は厳しい冬に入ることから、暖房に灯油を使用する他に自家用車は欠くことの出来ない移動手段、さらに物流の根幹をなすのはトラック輸送。したがって、短くても年度末までこの補助金は続けなければならないだろう。>と掲載しました。
さて、一方で、燃料油価格は市場で決まるものです。
市場経済に政府が介入するのは、市場経済を揺るがすことに繋がります。
この補助金を導入した時は、短期間に限定するつもりでした。22年1月から3月までの「激変緩和措置」でしたが、1月に1バレル=85ドル程度だったWTI(米国の代表的な原油)の先物取引価格がその後、100ドルを大きく越え1バレル=130ドルに乗せるなど状況が悪化し、燃料油価格が落ち着きを見せずに高騰を続けることになったために補助金を継続しなければならなくなりました。
しかし、この10ヶ月間でWTI価格は1バレル=85ドル以下に落ち着いてきているにも関わらず、燃料油価格が下がらないのは、為替の円安が続いているからです。
しかも、円安のまま原油価格が再び上昇すれば、価格をコントロールするために補助金の支出を止めることが出来ず、さらに継続することになります。
今後、現在の176円程度の規模を維持することになれば、燃料油の使用量を節約すると言う機運は高まりません。私たちがこれまでと同様に化石燃料を消費するということを見直し消費を節約すれば、燃料の需要が減少しそれに伴って売り上げも減少、売れなければ価格も下落すると言うのが市場原理です。
補助を続けると言うことは、政府の財政が悪化し、日本銀行の財務内容も悪化、「円」の信用も低下して円安に歯止めがかからなくなるということです。
したがって、こんなことをいつまでも続けていくことにはならないだろうと思います。
市場経済を促し、補助金を止め、ガソリン、軽油などに課税している暫定税率を取りやめ、減税する。
すなわち「トリガー条項(灯油・重油には課税されていないが)」を発動することこそ、喫緊の対処では無いかとい思います。
新しい内閣は、どのような答えを出すのでしょうか。