特定利用港湾、道民への説明は(ブログ3538)
- 2024年04月09日
特定利用港湾として北海道が5港の指定を受けたことは、以前のブログでお伝えしていました。
ここ3、4日くらいの報道を見聞きすると、政府は「年に数回使用するだけ、災害対策等や観光振興の観点から港湾を整備することは地方自治体にとってもメリットがある」と理解を求めており、高知県の浜田知事などは、「港湾整備が加速し、平時の訓練で自衛隊が港湾を熟知することによって、大規模災害時の対応にメリットがある。」と指定を受け入れる判断をしたようです。
大規模災害時に海上自衛隊や海上保安庁の船が物資を運び込んだり、避難者を他の避難地に運んでくれる事を想定しているのかも知れませんが、はたして、そうなのでしょうか。
今回、指定された港湾や空港は、どちらかというとこれまで大規模災害には縁が薄い場所ばかりですし、当然、第1義的には中国をにらんだ南西の海域や空域への対応、ロシア対策がある事は確かです。
無論、災害の多い場所の港湾や空港を指定したならば、有事に問題を残しますから、そんなバカなこと官僚や制服組がするはずもありません。
したがって、メリットよりも、有事になれば自衛隊員や武器・兵器の補給基地となってしまうデメリットの方が大きいのは、言わずもがなです。
函館市は、戦時中に青函連絡船が補給船として北海道の石炭と陸軍兵士を本州に運ぶ役目を果たしていたことから、連絡船への爆撃はもちろん桟橋、鉄道、ドックだけでは無く市内も大きな空襲を受けることになりました。
米軍は民間施設、学校、病院等の区別は無く、市民にも多くの犠牲者が出ました。
そして、現在も国際法がありつつ、ロシアもイスラエルも無差別攻撃を仕掛けています。
従って、特定利用港湾や空港の指定を受け入れると言うことは、そのことまで飲み込んだ判断が求められます。
そして、その矢面に立たされるのは、そこに住んでいる住民です。
高知県は、県のHPにQ&A方式にまとめて公表しているようですが、北海道は、鈴木知事が管理者である石狩湾新港、苫小牧東港について、道民に何の説明も行っておりません。地元には説明を行っているのかも知れませんが、道議会議員である私はそれを知り得ませんから、道民の方々への説明も行っているかは甚だ疑問です。
そうであれば、道民不在の道政であるという誹りは免れません。