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特定利用港湾・空港(ブログ3778)

  • 2024年12月18日

 12月9日、函館市はホームページに、「函館市を特定利用港湾・空港に指定するための政府との協議」に関する情報を掲載しました。

 この協議の依頼は、内閣官房・国交省・防衛省の3者から発出されたもので、表題は「総合的な防衛体制の強化のための公共インフラの整備について」とあり、内容はたったの3行、<国家安全保障戦略(令和4年12月16日閣議決定)に基づく、「総合的な防衛体制の強化のための公共インフラ整備」に関し、「円滑な利用に関する枠組み」を関係省庁と函館市の間で確認することを依頼する。>と書かれています。

 函館港はこれまでも、海上保安部の巡視艇基地でもあり、また、「はこだてドック」もある事から自衛艦が補修などで利用することも度々です。

 一方、海外の艦船も親善という名の下に寄港していますが、その度に、平和団体などが商業港である函館港の平和的利用を求めて入港反対などの行動を行ってきました。

 しかし、特定利用港湾・空港は、これまでの様にたまに使用するのとは異なり、自衛隊による日常的な利用が見込まれますし、米軍の使用も想定されます。

 函館市は過去の大戦では、戦闘機や艦船を製作する工場などへ、エネルギーとしての本道炭や食糧の積み出し港であったことから米軍の攻撃対象となり、連絡船をはじめ市内でも西部地区が空襲を受けた経験があります。

 戦闘機出撃機はF4コルセアー艦上戦闘爆撃機延べ209機で、使用されたのは、50ポンド通常爆弾:514個、ロケット弾:278個で、主な艦艇は、大型空母エセックス、ランドルフ、軽空母としてモンデレー、バターンの4空母でした。市内の被害は、死者14名、負傷者16名、169棟384戸が全焼しましたし、連絡船は11隻を失いました。

 さて、私たちは過去の過ちを繰り返してはいけません。政府が示した原案は10道県38ヶ所でしたが、「納得出来ない」、「政府の説明が足りない」とした県知事や市長が管理する港湾や空港は今回の指定から外されています。

 函館市のホームページには、「特定利用港湾・空港について」という内容が掲載されています。その中には、これまでの経過として10月9日に政府から函館市に対して、特別利用港湾・空港の対象として検討しているとの説明と、正式な依頼があったこと、函館市として市議会や港湾・空港関係者から意見を聞き、検討を進めている事が記されて記されています。

 また、政府が疑問を持っている市民に対するQ&Aが6項目掲載されています。

 その中には、「攻撃対象になるのではないか」という問いに「可能性が高まるとは言えない」と記されていますが、その根拠は全く示されていません。そして、「抑止力を高め、国民の安全につながる」と記されていますが、その事は、特定利用港湾・空港が抑止力の一部である事を認めていることになります。

 防衛ジャーナリストの半田滋氏は、<国際法上、攻撃が禁止されている民間港湾・空港を攻撃対象となる「軍民共用」に置き換えて、安全だと強弁する。とんでもない政府の下に私たちはいる。>と話していますし、ロシア・ウクライナ戦争やイスラエル・パレスチナ戦争を見ても、攻撃が禁止されている学校や病院、そして原発にも無差別攻撃が行われています。

 さて、国と対等の立場にある鈴木知事と函館市長は、どの様な判断をするのでしょうか。


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