特定秘密保護法に異議
- 2015年12月10日
様々な問題点が指摘されながら、与党で押し切った「特定秘密保護法」が内部から綻び始めました。
会計検査院が、この特定秘密法に異議を唱えたのは、会計検査院という組織にはこの特定秘密保護が適用されないにも関わらず、未だに何の対策も打たないまま今日に到っていることに対してです。
特定秘密保護法は、各省庁の関係大臣が「我が国の安全保障に著しい支障を及ぼす恐れがある」と判断すれば、国会などの求めに対してもその提供を拒否することが出来ることになっています。
この法律のおかげで、時の政権が恣意的に様々な事象や事柄を秘密にする事が出来、国会議員も何が秘密なのかさえも秘密なので、全く分からないことが頻繁に起き、国による情報の隠蔽が今以上に進む事、とりわけ、外交、防衛など、国民の知り得ない事が多くなり、戦前の情報統制が現実になるのではないかと、当時は大きな反対運動も起きました。
今回、会計検査院が問題にしているのは、特定秘密保護法の第10条1項の規定『(行政機関の長は、当該行政機関の所掌事務に係る別表に掲げ事項に関する情報であって、公になっていないもののうち、その漏洩が我が国の安全保障に著しい支障を与える恐れがあるため、特に秘匿することが必要であるものを特定秘密として指定するものとする。ただし、内閣総理大臣が第18条第2項に規定する者の意見を聴いて、政令で定める行政機関の長についてはこの限りでは無い。』とされていますが、憲法第90条では、『国の収入支出の決算は、すべて毎年会計監査院がこれを検査し、内閣は、次の年度に、その検査報告とともに、これを国会に提出しなければならない。』とあり、防衛・外交に関わるものであっても、収入支出は全て会計検査院に報告しなければならず、憲法第90条にはそのように規定されていますが、この2年間、まったく見直す動きがありません。
会計検査院に全てを明らかにしなければならないということは、国会議員が会計検査院に求めれば、全てを開示しなければならないということに他なりません。
政権は今度も憲法を無視するのでしょうか。