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狭まる泊再稼働

  • 2018年03月31日

 四国電力が、伊方2号機を廃炉にすることを決めたようです。

 伊方原発は四国の愛媛県の西端、佐多岬半島の東側に位置する伊方町に設置されている原発で、いわゆる佐多岬半島の付け根に有ることから、これまでも原発事故があった場合、避難するには九州に渡るしか方法がないと言われてきました。

 1号機から3号機まで有り、1号機(出力56.6万kw)の稼働は1977年9月ですでに40年を経過、昨年9月に廃炉作業を開始しましたし、2号機(出力56.6万w)は1982年からの稼働で22年に40年を迎えますが、規制委員会の指摘する耐震工事などの安全対策に約1千億円を投入しなければならず、四電として最長20年の運転延長をするかについて、これまで検討をしていました。

 3号機(出力89万kw・プルサーマル使用)は昨年12月に広島高裁から運転差し止めの仮処分が出て、今年の9月まで運転休止となっています。

 今回、四電が2号機の廃炉を判断したのは、安全対策にべらぼうな資金を投入する事に対する採算性ということですが、正しい判断だと思います。

 翻って、北電の泊原発はまず3号機の再稼働を申請していますが、これまでに安全対策として約2千億円から2千5百億円を投入しています。

 しかしながら、積丹半島に位置する活断層への対処など、これからも追加の対策を講じなければならない可能性が想定されますし、それでも規制委員会の承認が得られる保証は有りません。

 以前にもブログで、それ程の投資をして採算が会うのか、損益分岐点は何処なのか、電気消費者への負担は過大なものにならないのか、などを述べさせていただきましたが、四電は、賢くその判断をしました。

 さらに、日本原電は東海第2原発の再稼働や運転延期に関する事前同意の範囲を、これまでの5km(PAZ)から30km(UPZ)に拡大することを決めました。

 これは、泊原発に関しても地元UPZ圏内の自治体が求めていたことであり、今回、原発・発電会社自らがその同意範囲を広げる先鞭を切ったことは大きな意味があります。

 PAZ圏内の自治体は、これまで原発交付金などの財源が自治体の大きな歳入として、原発のリスクよりも財政補填を優先してきたように思われますが、UPZ圏内の自治体は、事故が起きた場合のリスクを判断の基準にしていますので、当然、再稼働や運転延長には慎重な判断をするでしょう。

 また、経産省の有識者会議では、30日にベース電源を原発から再生可能エネルギーにシフトする素案を示しました。

 採算性、安全性に関する自治体同意、ベース電源のシフト替え、泊原発の再稼働はどんどん狭められてきています。


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