監視社会を呼ぶ共謀罪
- 2017年01月09日
17年の通常国会が1月20日から開会されます。
時あたかも米国では「トランプ大統領」が就任する日という因縁めいたものを感じます。
この通常国会に、自民党はこれまで3度も廃案になってきた「共謀罪」を柱とする「組織犯罪処罰法改正案」を提出する方針となっています。
今回は、「共謀」を「計画」としたり、名称を「テロ等組織犯罪準備罪」として目くらましをしていますが、これまでの共謀罪の考え方と同様に600以上の犯罪に適用するものであり、考えたり、思ったりという「内心」が罰せられることになります。
居酒屋で酒に酔いながら「今の政府のやり方は問題が有る。政権を転覆させなければならない」などと話し、仲間が「そうだ」と相づちを打ったら、これが立派な共謀罪となり、組織犯罪準備行為とみなされる事になります。
そして、誰が何を考えているのかを把握するためにメールや電話の盗聴が必要となりますが、既に昨年5月に盗聴法の拡大や司法取引、密告による減刑などが可能となる「司法取引政度」を含む「改正刑事訴訟法」を成立させました。
当局が目を付けた団体に警察官をスパイとして潜り込ませて情報を入手することもあり得る、まさしく、西島秀俊と香川照之主演のテレビドラマや映画での潜入捜査がノンフィクションではなく、現実として私たちの身の回りで起きることになります。
朝鮮総連や共産党への盗聴事件や、連合への隠しカメラによる盗撮が明らかになりましたが、これからは「テロ対策」とでも言い訳することになるのでしょう。
1952年に大分県菅生村で起きた「菅生事件」は、捜査当局が共産党内部に警察官をスパイとして潜入させただけではなく、そこで、自作自演の駐在所爆破事件を起こし、共産党員を犯人にでっち上げました。
話しただけで共謀罪に問われ、盗聴や密告を横行させる「共謀罪」を今度も阻止し、今後も俎上に載せない取り組みをしなければなりません。
おっと、このようなことを書くだけでも、組織犯罪準備罪に問われる事になるのでは・・・。