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目的から外れたGOTO

  • 2020年10月17日

 GO TOトラベルやイートは誰のための施策なのでしょうか。

 本来は、コロナ禍で瀕死の状況だった観光業者や休業自粛などで客足が途絶えた飲食店を救済するためのものだったと思います。

 それも、トラベルではJCBや近畿日本ツーリスト、日本旅行など大手旅行エージェントや高級宿泊施設だけではなく、中小・零細の旅行業者や小さな温泉旅館・ビジネスホテル・民宿など体力の無い観光関連業者を救い、さらにはそこに繋がる交通機関やお土産品店、飲食の材料を供給する業者やシーツなどのクリーニングを行うリネン関係などにも波及するようなものでなければならなかったはずです。

 しかし、始まってみると大手エージェントの持つ予算枠に申込が殺到し、それも高級旅館やホテルから売り切れて、前年実績の少ない中小・零細はあてがわれた予算枠が小さく、それも売れ残りが起きている状況にあります。

 楽天トラベルやじゃらんなどは、指定されている割引率を独自に引き下げるほか利用回数に制限を入れるなどの自衛策をとったこと、さらに、地域によって利用客が集中するなどの現象が生じたことから、赤羽国交相も全国13地域毎に設けた予算枠を当面撤回することを表明、さらに期間の延長も検討することになりました。

 このトラベルでは、もう一つ、外出自粛や他県への越境を制限されていた消費者が、旅行代金の実質50%値引きによって、旅行へのハードルが下がり出かけることが容易に出来ることで消費を促し経済活動を前に進めるということも目的に合ったと思います。

 しかし、急ごしらえの施策を十分に検討することなく始めたことから、霞ヶ関の省庁では想定できなかった(私たちは想定出来ましたが)事が次々に起きてしまいました。

 多くの富裕層が「3蜜」を避け、自家用車等で高級宿泊施設を何度も利用し、その結果、中小・零細の宿泊施設には恩恵が少なく、さらに多くの国民も休暇を取って旅行するという余裕も無いことから、税金を使っていながら国民全体のものとはなっていません。

 そしてイートです。

 これも始まってみると問題ばかり、席だけネットで予約し、焼き鳥1本で1000ポイントゲット、これを「錬金術」として若者を中心にネットで拡散し、その手立てに四苦八苦、更に、街なかの飲食店では予約を受ける度に予約サイトへの手数料が発生し、1件に50円から200円も支払わなければならないことから、予約サイトだけが儲けることになり、小規模の飲食店では「薄利の中から手数料を取られる位なら参加しない」という所が多く出ています。

 これも当初は、行政が飲食店への営業自粛や営業時間の短縮などを要請したことから閉店に追い込まれる店舗が続出し、何とかこのイート制度で元気を出して貰いたいとの考えから始まったと思いますが、これも十分に検討すること無く始めたことから問題が起きています。

 そして、このイートも、繁華街のある大きな街では利用者にも恩恵がありますが、過疎地などでは利用するにも飲食店が無い地域もあり、これも国民の税金を使っていながら不公平がまかり通っています。

 GO TOキャンペーンは、一体誰のために、そして何のために行うのでしょうか。

 次に始まるGO TOイベントも都会が中心、GO TO商店街も地域に商店街が形成されていなければ絵に描いた餅になります。

 すべからく、大企業や富裕層、都会に住む方だけに恩恵が偏り、本当に困っている中小・零細の事業者や高齢者、過疎地などは蚊帳の外に置かれています。

 政府は、本来の目的に沿う施策を実施するために、これらの事を検証し改めて多くの国民に支持される方策を実施すべきではないでしょうか。


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