目論見外れの予算(ブログ3135)
- 2023年02月11日
昨年12月から取り組まれた政府の「節電プログラム」。
火力発電の燃料となる原油の高騰による電気代の高騰や、昨年より取り組んでいる節電への呼びかけをより現実的に進めるために、政府が進める「節電プログラム」に参加し、前年よりさらに節電する意思を明らかにした世帯に、インセンティブとして2,000円分のポイントを付与することにし、北海道は、この2,000円にさらに2,000円上乗せするために約36億円の補正予算を組みました。
この補正予算36億円は、道内の一般家庭や小規模事業所を対象としていますが、予算の対象は約180万世帯程度(道内の対象世帯等は約380万件で、その半分)とし、募集期間は12月末までとなりました。
私はこの補正予算に対し、申請主義では無く全ての契約世帯に公平に付与すべきではないかと考え、「電気事業者は、契約している一般家庭や小規模事業所の名簿を掌握しているはずであり、それを利用すれば、公平に支援が出来るはず。また、そうなれば、対象世帯の半分の補正予算では不足するので、予算を修正すること。」を主張しましたが、鈴木知事は考えを変える事は有りませんでした。
さて、この申請が12月から始まりましたが、申請者が少なく1月末まで1ヶ月の延長をすることになりました。
この度の産炭・エネ特別委員会では、この申請数が報告されましたが、12月22日時点で約16万件の申請数にとどまっています。
予算の1割にも満たない申請数です。
この申請を行った方もいらっしゃると思いますが、申請はネットを使い、非常に複雑であり、ポイントが付与されても、そのポイントを個人の電子マネーや口座に移し替えを行わなければならず、ここにも手間がかかります。すなわち、高齢者には申請が困難であるだけではなく、手間がかかりすぎることが大きな原因です。
政府の「節電プログラム」には、まず、この申請をしなければ参加できません。
これを見ても、全国的な申請は推して知るべしで、効果は望むべくもありません。
そして、この政府の取り組みを丸呑みし、道独自に36億円の上乗せ予算を組んだ鈴木知事も失政のそしりを免れません。
さて、16日から始まる道議会の開会日に、補正議案の先決議案としてこの上乗せ分の執行残を「子育て支援」にまわす提案をするようです。
高齢者世帯を含む電気代高騰への支援とした予算が、その目論見から外れたことから、全く目的の違う事に支出しようとしています。
予算の基本を揺るがせると共に、選挙前のバラマキとも受け止められる手法を皆さんはどのように思われますか。