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県職員の矜持(ブログ3633)

  • 2024年07月18日

 兵庫県斉藤元彦知事に対し、「パワハラ疑惑」や、「おねだり」、「公職選挙法違反疑惑」など7つの項目について外部告発行い、百条委員会の開催を求めていた元兵庫県幹部が自殺をしてしまいました。

 百条委員会が提出を求めたパソコンにプライベートな内容も含まれていることから、その部分は調査の対象にして欲しくないと訴えましたが、斉藤知事与党の維新所属議員が強行的に求めた事で、自責の念に駆られたのか、果たしてその事が原因なのかは明らかではありませんが、自ら命を絶ってしまいました。その一方で、証拠となる音声などを残して百条委員会での厳正な審査を託しました。

 私の勝手な想像ですが、パソコンに残されていたのは、単に自身のプライベートなデーターでは無く、同僚や部下からの証言が含まれており、その方々が自分が原因で処分の対象になる事を恐れたからでは無いかと思います。

 「県職員は県民の為に仕事をするのであった知事のために仕事をするのでは無い」という公務員としての矜持が、死をもって県政を糾すという行為に繋がったものと思います。

 そして、これは、モリカケ(森友学園・加計学園)事件で、安倍氏を庇い続け、公文書の改竄を命じた財務省理財局長の佐川宣寿氏に対し、死を持って告発した近畿財務局の赤木俊夫さんのケースと酷似しています。

 彼はその死に当たって、事件の真相を克明に記した約500ページに及ぶ「赤木ファイル」を残しましたが、検察によって開示は許されず、3年後に開示された内容は黒塗りとなっていました。

 県のトップの不正、政府のトップの不正、つまりその組織のトップの不正はアンタッチャブルであり、死をもって糾弾しても握り潰されるというのが組織の論理のようです。

 兵庫県にも、内部告発の窓口があったとのことですが、内部事情に詳しい今回の告発者は、内部では無く外部のマスコミに対して事件の究明を託しました。しかし、県の人事担当者によって犯人捜しが行われ、停職3ヶ月の処分を受けることになりました。「公益通報者保護法」は内部告発者への不利益な取り扱いを禁じていますが、現実には「無いに等しい法」である事が一人の命を犠牲にして明らかになりました。

 今は、兵庫県以外も含め29の都道府県に通報窓口があり、22年度には252件の通報がありましたが、是正に繋がったのは14%でした。これは、(当事者の組織である)内部の調査に限界がある事を物語っています。

 調査の妥当性・客観性を確保するには、第三者機関による調査が必要です。

 翻って、北海道では、これまで何件の通報があり、どのような結論に至ったのか、改めて調べてみる必要があるのでは無いかと思います。

 なぜなら、鈴木知事の独善的な道政運営を少なからず心配している道職員は少なくないだろうと思うからです。北海道が第2の兵庫県にならないように。


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