真珠湾を訪問するならば
- 2016年06月07日
オバマ大統領が広島を訪問した返礼として、安倍晋三が真珠湾を公式に訪問するという話が囁かれています。
第2次世界大戦で旧日本軍が真珠湾を奇襲したのは、1941年12月7日です。
今年がその75年目となり、ハワイでは、記念式典が開かれる予定になっているとか。
米国の外交専門誌が、日本の首相の誠意として返礼すべきと言うことを掲載し、米国政府も訪問を歓迎する意向であることも伝えられているようです。
さらに、次期大統領候補者となるであろう「トランプ氏」も「当然、真珠湾に来るべきだ」とツイートし、日米が争うきっかけを作った日本の首相も真珠湾に来いと示唆しているようです。
安倍晋三はどうするのでしょうか。
目立つことは何でもやる安倍のことですから、多分、米国から打診が来る前に、自ら真珠湾への訪問を口に出すだろうと思います。
参議院選挙も終わり、臨時国会も早めに切り上げてと今から考え、既に12月7日の予定を開けているかも知れません。
しかし、「憲法9条は核の保持を禁止していない」と閣議決定していながら、広島で図々しくも演説した安倍晋三が、そして戦前回帰を推し進めている安倍晋三が、本音で米国軍の犠牲者に哀悼の意を示すとは思いにくく、まさしく自らのパフォーマンスのためと考えるのは、それこそ考えすぎでしょうか。
一方、旧日本軍が宣戦布告も行わずに決行した真珠湾奇襲作戦で、数千人という犠牲者を出したハワイの真珠湾を、仮に安倍晋三が訪問したとすれば、中国、韓国の政府や国民はどのように思うのでしょう。
真珠湾に訪問するならば、先の大戦で多くの犠牲者を出したアジアの国々、とりわけ中国と韓国に対し、同じ目的を持って訪問すべきと求める事になるだろうと思います。
多分、日本国内では多くの論議を呼ぶことになるかも知れませんが、同じ敗戦国のドイツは、ナチスによって多くの犠牲者を出したヨーロッパの各国に対し、早い段階から謝罪の訪問を行っています。
そのことが各国から評価をされ、ドイツは早い時期から世界に受け入れられました。
しかし、日本は戦争責任から顔を背け、アジア諸国に国家としての謝罪を行わず米国の庇護によって今の地位を得たことから、国際的な信用は得られず、未だに国連において同じ「敵国条項」に置かれているにも関わらず、ドイツとは国際的な国家の信用において大きな水を空けられています。
遅ればせながらではありますが、日本が国際的に信用ある地位を得るためには、真珠湾訪問は勿論、結果として犠牲を強いたアジアの国々への国家としての戦争謝罪を早急に行うべきと考えます。