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矛盾を認める係争委

  • 2019年02月19日

 辺野古建設に関わり県が求めていた総務省の第三者委員会「国・地方係争処理委員会(係争委)」が、県の申し出を却下することを決めました。

 富越和厚委員長(者東京高裁長官)は会合後の記者会見で、「国交相が撤回の効力を停止したことは係争委の審査対象である<国の関与>に該当しないことから、県の申し出は不適法」と理由を説明しました。

 国交相の対応が適切か不適切かの実質審議はせずに、入り口での門前払いという判断です。

 「国家が一私人と異なることはない」という判断を皆さんはどのように受け止めるでしょうか。

 15年に同じく埋め立て承認の撤回を巡り、係争委に申し出しましたが、その時は、「当否の疑問も生じるが、一件明白に不合理とは言えない」として却下をしましたが、その時よりも後退したというか、その見解を検討することも無く、あえてその事を避けての入り口論です。

 そのことを問題としてニュースで扱うテレビ局もありません。

 行政不服審査法は一私人の利益を救済する目的で作られた法律です。

 行政が下した判断に対し、不利益を被る私人(個人)が不服を申し出、係争委員会で審査して貰うというシステムが、この法の主旨ではないでしょうか。

 この法律は、国家や各行政体を私人とは規定していません。

 国家や各行政体が私人と見なされるのであれば、この法律は存在意義を失います。

 だからこそ、多くの行政法学者が国の違法性を指摘しているのです。

 通常「公有水面埋立法」によると民間事業者は県の「許可」を受け、国は「承認」を受けなければなならないとしています。

 そして、防衛局(国)は辺野古に対して「承認」を受けて埋め立てをしています。

 防衛局が私人だというならば、改めて「許可」を受けるべきではないでしょうか。

 矛盾を整合性があるかのように言いくるめる国の言動、そして、それを忖度する第三者委員会や司法。

 法治国家が世界から笑われています。


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