知られるのが不安
- 2020年11月28日
コロナ感染者の座談会が「ダイアモンド・オンライン」に掲載されていました。
薄々考えていましたが、やはりそうだったのかと改めてその心理状態を知ることが出来ました。
今は、感染者のプライバシーと利益の保護から、本人の了解なしには勤め先や居住地、感染前の行動について明らかにすることはありませんが、もし、陽性だった場合に自分そして家族や職場など周りにどのような迷惑がかかるのかが心配になり、発熱も倦怠感も我慢して検査を受けないという判断をしてしまうおそれがあるという本音が、座談会において話されました。
座談会はフリーの水道設備事業者で、副業として複数の飲食店で店長をこなす40代の男性A氏、複数の会社から業務委託を受けて営業マンとして働く40代の男性B氏、メディア系企業に勤務する30代の男性C氏の3人です。
A氏は、「友人たちと飲み会に参加した後、頭痛が続いたが、まさかコロナとは思っておらず、友人からの電話で、『みんな体調がおかしいので、お前もPCR検査を受けろ』言われた。国民健康保険料を払っていなかったこともあって簡易キットで検査した結果、陰性だったが、飲み会参加者から陽性者が出たことから濃厚接触者となり、PCR検査を受けたら陽性と判明、療養宿泊施設に入れなかったことから自宅療養だったが、独り者だったことから食料を買うためにコンビニに外出していた。毎朝8時に保健所から電話があり『体温は何度か?』、『ダルさはあるか?』、『食欲はあるか?』と聞かれるだけで、5日目に体温が36度台に戻ったと報告したら保健所から『発熱から10日経過しているので、明日から仕事に復帰しても大丈夫』と言われた。自己申告だけで仕事に復帰できるなら、嘘をつく人もいそうだと思った。」と話しています。
B氏は、「同じく飲み会で感染した。宿泊料施設に入るように指示され家族がいるからそのほうが安心と思った。迎えのクルマは介護タクシーのようなバンだったが、自宅前で停車したので、近所の目が気になった。車は何の変哲もないが運転手が完全防備であり、一目で感染者を乗せるために来たことが判ってしまう。
子供たちの学校と塾に報告したが、イジメがとても心配だった。子供たちは不満たらたらで、妻にも大きな迷惑をかけた。」と知られることへの不安を述べていました。
C氏は、「どこで感染したのかわからない。出張先のホテルで発症していたが、熱があるとわかったらホテルを追い出される可能性があると思い、体温を測らず、異様なダルさを我慢して2日間仕事をこなした。自宅に戻って体温を計ったら37度超え。会社を二日間休んだら36度台に戻ったので会社に行ったが、夕方に体調が急変、異様なダルさに襲われ、鼻は詰まって、意識は朦朧で即帰宅、会社からPCR検査を受けろと指示され検査の結果は陽性だった。
病院に入院したが、ビニールで覆われた車イスに乗り、一瞬だけ一般患者も使う廊下を通った時にめちゃくちゃ視線が刺さって怖かった。
子供も濃厚接触者なので、学校に報告しないといけないが、子供がイジメに遭うことが怖くて妻と相談して報告はやめた。ママ友の間ではコロナのイジメのことが流れていたので、パパがコロナだってバレたらクラス中からイジメられるのは間違いないから。」とのことでした。
誰もが、「陽性になったらどうしよう」と不安な気持ちを持っていますし、症状が自覚できても「自分はコロナではない。大丈夫だ。」と思いたくなるものと思います。
知られたくないという気持ちが内在している限り、検査にも消極的になり、症状が治まるまで我慢しようと考えてしまいがちです。
そのことを考慮すると潜在的な感染者数は公表されている実数よりも、かなり多いのではないかと想定されます。
言われていることですが、感染したことは決して悪いことではなく、早く検査をし療養に努め、それ以上に感染者を増やさないようにすることです。
国会議員はコロナに感染した場合、氏名を公表することを決めましたが、道議会議員の場合どうするか、まだ決まっていませんので、公表することを前提に話し合っていきたいと思います。